クラバーや音楽ファンの間では、長時間のイヤホンやヘッドフォンの使用、クラブやフェスでの爆音による難聴問題などに頭を悩ませている人も多いが、しかし音による健康問題は、何も爆音によるものばかりではないようだ。

過去記事>>【難聴の恐怖】クラブ、イベントに良く行く人、いつも音楽を聴いている人は要注意!? きちんと予防して快適音楽ライフ!

キューバでは高周波音による健康被害が問題となっており「音響攻撃なのでは?」との憶測まで飛び交っていることもあるうようだ。吐き気、めまい、不眠症、頭痛、難聴、更には脳への損傷まで危ぶまれているという高周波音による健康被害であるが、原因はまだ特定されておらず、超音波同士の干渉によるもの、コオロギの鳴き声などが原因なのではないかと言われているようだ。


なお、これが原因でアメリカ政府はハバナのアメリカ大使館スタッフの半数以上を帰国させたり、カナダ政府もこの音響被害を懸念し、キューバに滞在する外交スタッフを減らすことを検討しているとのことで、それに対してキューバ側からは「国家間の緊張を煽りキューバを脅威として見なそうとしている」というような内容の批判の声も上がっており、もはや民間どころか国家間の政治的な問題にまで発展するほど深刻な影響を与えているというのだから恐ろしいことである。

また、これと同じような現象が中国にて働いていたアメリカ政府職員からも報告されており、こちらの場合ではこの政府職員は後に軽度の外傷性脳損傷を負っていると診断されたという。

こちらは、APによってハバナで録音された問題のノイズだ。
 

音響攻撃はリアル、SF的な妄想ではない!

ちなみに、音響による攻撃方法というものは昔から存在している。理論上では音で人を殺すことも可能だとされており、欧州宇宙機関(ESA)の試算によると、240デシベル以上の音で脳を破壊できるとのことだ。

実際に使用されている音響兵器の中でも有名なのは米軍等が使用している「LRADエルラド/Long Range Acoustic Device)」という装置による、超音波を利用して遠方の一定ポイントにいる相手に爆音による攻撃を仕掛けるというもの。なお、この技術は攻撃だけではなくコミュニケーション手段としても活用されているとのことだ。
 

また、若者のみが聞こえる蚊の羽音のような高周波音「モスキート音」は、ネズミや迷惑行為をする若者がたむろするのを防ぐために使用されている場合も多い。
 

音による健康被害は結構深刻

この「音による健康被害」はなかなか深刻なもののようで、これまでには様々な種類の音による健康被害が報告されてきている。
高周波音による被害はもちろん、低周波音による被害もある。例えば、微小地震活動により発生する「Hum」という低周波は、一部の高感度の耳を持つ人々にストレスを与え、中には自殺してしまう人までいるとのことだ。低周波音による被害の中には、高周波音と同じく頭痛や吐き気、めまい、不眠等のほか、肩こりやしびれ、耳の痛み、顎の痛み、なかには幻覚などを訴える人までいるとのこと。
中には、こういった耳に聞こえない(一部の人にだけ聞こえるような場合もある)音の被害を調査する民間の業者も存在するようだ。

日本騒音調査ソーチョー https://www.skklab.com/

日常的に生活をしていて謎の体調不良や原因不明のストレス等の心当たりがある方は、一度音響被害調査をしてみても良いかもしれない。



Written by きのや