mixmag の報告によると、イギリスで開催されるフェスティバルに対し政府が支援策を講じない限り、2021年度もイギリス国内で開催されるフェスティバルは中止となるだろうとUK Music警告した。
なお、UK Music とは、2008年10月に設立された、英国の音楽業界における録音、出版、ライブ活動の各部門の共同利益を代表している業界団体である。


更にUK Music は、イギリス国内の数十億ポンド(日本円:約数千億円)規模のライブイベントを行う音楽業界を保護し支援するための戦略を概説した詳細レポート「Let the Music Play: Save Our Summer 2021」をシェア。


そのレポートには「新型コロナによりキャンセルになった場合の解約保険が必要となる。この意味は、政府が保険制度の支援策を講じない限り、2021年度のフェスティバルの計画を進めることが出来ない」という記載がある。

UK Music の CEO  Jamie Njoku-Goodwin 氏は以下のように述べている。

この世界的なパンデミックは現時点でも猛威を奮っており、今もなお人々の生活を脅かしているが、やっと希望の光が見えてきた。政府はワクチンの接種を始め、春までには通常に戻ると公言している。例え春までに通常に戻るとしても、事前に連絡がなかったり、開催できなかった場合の保険がない限り、2021年夏のフェスティバル・シーズンの大部分の計画を立て進めることはできない。計画を進めていくうえ深刻なリスクが伴う。

適切な政府の支援があれば、ライブ音楽業界はパンデミック後の復興の最前線に立ち、経済と文化の復興に置いて重要な役割を果たすことができる。だが、音楽を救うため、夏シーズンを救うためには音楽業界と政府が協力して取り組む必要がある。

また、ドイツでは先月、2021年後半に予定されていたイベントが新型コロナの影響によってキャンセルとなった場合の費用やキャンセル金として25億ユーロ(日本円:約3,200億円)をカバーすることを発表している。

イギリスの大規模フェスと言えば、Creamfields や Glastonbury が上げられるが、Glastonbury の共同主催者の1人である Emily Eavis(エミリー・イヴィス)氏は、Twitter を更新し以下のようにツイートしている。
 

あけましておめでとう!
Glastonbury に関するニュースは現時点ではないわ。それに私たちはキャンセルもしていない。何か進捗があり次第、すぐにみなさんにお知らせするわ。

UK Music は、会場やイベントを完全にキャンセルできる「目安となる日付」と「チケットにかかる付加価値税(消費税のようなもの)の引き下げ」を求めている。
 

フェスティバルを開催するためには、数ヶ月~1年以上かけて計画を練り進めなければならないが、現時点で新型コロナの確実な収束時期は分からないため、実際に夏に計画されているフェスティバルが確実に開催できるといった保証はない。そして、例え開催できると見越してフェスティバルを計画をしても、直前にキャンセルになった場合、主催者は大規模な負債を背負うことになる。そういった意味でも、政府がドイツのようにキャンセル金をカバーしてくれる保証があれば、フェスティバル開催に向けて計画を立てることがでいる。

日本ではまだまだこのような保証の話は出ておらず、それどころかクラブやライブハウスへの支援についてもまだ不安が多い状況にあるが、そんな中、緊急事態宣言下における自粛営業・活動に対するのライブハウスやクラブにへの保証を求める署名活動も展開されているので、ぜひ支援の署名をしてみてはいかがだろうか。

>>クラブ、LIVEハウス、ミュージックバーおよび、ダンスフロアやDJブースのある文化的施設の存続、実演家の活動を守り、緊急事態宣言下の自粛営業・活動に対する十分な補償に関する署名活動はこちらから