BBC news によると、30代後半の Stuart Mitchell は、イギリスにて開催された Creamfields Festival 2021 に参加するべくチケットを購入していたが、今年7月、3歳になる息子を家族の元に残して自殺してしまったそうだ。

Stuart Mitchell の家族は、彼の葬式の費用を捻出すべく、そのチケットをいとこたちに転売した。その際に、Stuart Mitchell が最後にフェスに行くことができるよう、彼の遺灰の一部をフェス会場に撒いてほしいと頼んだ。

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いとこたちは、Creamfields に参加する際に、Stuart Mitchell の人生を祝いたいと考え、Stuart Mitchell の写真と「この最後のダンスはあなたのためのものです。友人より」というメッセージ入りのフラッグを作成し、フェス会場へと持参した。

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いとこたちは、フラッグを持ってキャンプサイトの付近で写真を撮るつもりだったとのことだが、イベント主催スタッフにメインステージ上で写真を撮影してもらえることになったという。

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だがそれだけでは終わらなかった。イベントの主催者サイドは、驚くような提案をしてきたという。それは、日曜日の夜に開催予定となっていた、フェスのクロージングを担当するヘッドライナーの Tiesto(ティエスト)のステージの最中に使用される、紙吹雪の大砲の一つに遺灰を入れるということだった。

それが提案されたとき、いとこたちは「完全にひっくり返った」と述べている。

Stuart Mitchell の妹である Laura はそれを聞いて、いとこたちが兄の遺灰を大砲でばら撒くことに同意した。

私は『ああ、兄は Creamfields に行ってるだろうな』と思いました。
でも、私たちが『大砲から彼を吹き飛ばす』とは思っていませんでした。

Laura は、Stuart Mitchell は生前 Tiesto のファンで、彼の葬式では「Adagio for Strings」が演奏されたと語っている。
 

Laura は、いとこたちの努力が「悲しみのプロセスを110%助けた」と付け加え、それが自殺防止チャリティー「Papyrus」による若者の自殺に関する意識を高めるためのキャンペーンに協力するきっかけとなったと語っている。既に彼らは、そのチャリティーのために1200ユーロを集めたとのことだ。

なお、このニュースを転載した EDM.com が Instagram にこれをポストした際、それに対して Tiesto は「これは本当の話ではないよ……誰かが悪い噂を流しているんだ……もしこれが本当なら妙な話だ」とポストしたとのことだが、その後 Tiesto はそのコメントを消したとのことだ。ステージ間際で Tiesto がその報告を受けておらず、知らなかった可能性もあるが……果たして真相はいかに???