米カリフォルニア州コーチェラバレーのテレビ局 KESQ によると、ラッパーの Travis Scott(トラヴィス・スコット)をアメリカ最大級のフェス Coachella(コーチェラ)の2022年度開催のラインナップから削除すると Coachella を主催する Goldenvoice 社が発表したとのことだ。

Travis Scott は、今年11月に開催された自身主催のフェス Astroworld festival(アストロワールド・フェスティバル)で数名が死亡した事故により、数多くの訴訟に直面している。

KESQ は、Goldenvoice と、Goldenvoice の CEO である Paul Tollett に、 Astroworld festival の数日後に世界規模のオンライン署名サイト「Change.org」にて Travis Scott を  Coachella のラインナップから外すようにという嘆願への署名受付がスタートし、この嘆願書に現時点までに約60,000の署名が集まっていることを報告しているが、両者からの返答はなかったとのことだ。

VARIETY の報道では、情報筋によると、Coachella は長年のエージェントである Cara Lewis Group の Cara Lewis に、Travis Scott を Coachella のヘッドライナーから外すために交渉しており、キャンセルの際にはキャンセル料として25%が払われるとのことだが、Cara Lewis は当初、Astroworld festival 以後、Travis Scott がステージに戻る機会としてコーチェラ出演枠を維持しようと頑張っていたとのことだ。

Travis Scott の訴訟についてはまだ決着がついていない段階だが、既に Travis Scott が近い将来音楽フェスに出演することは難しいものとみられている。

Astroworld festival の死亡事故をきっかけに、Travis Scott、そしてゲストパフォーマーの Drake、プロモーターの Live Nation、NRG Park、Scoremore Holdings、その他様々な人々に対する訴訟が起きている。

Travis Scott は今週初め、Charlamagne Tha God によるインタビューの中で、この死亡事故についての悔恨を表明しており、パフォーマンスが終わるまで深刻な事故が起こったことについて気付いていなかったと述べている。その後、Travis Scott は Astroworld festival の全ての参加者に全額返金し、犠牲者の葬儀費用を支払うことを申し出ており、さらに他の今後のコンサート出演についてもキャンセルしていたが、彼に対する批判は全く収まっていない。

Travis Scott は、約2年前の2020年1月に、Frank Ocean(フランク・オーシャン)、Rage Against the Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)と共に Coachella のヘッドライナーとして発表されており、その後新型コロナウイルスによるパンデミックのために Coachella はなんども延期されていたが、Rage Against the Machine と Travis Scott は最新ラインナップに維持されており、Frank Ocean の出演は2023年に延期されていた。

Travis Scott の代わりに、Coachella は2名のヘッドライナーを新たに発表するものと見られており、その有力候補として Swedish House Mafia(スウェディッシュ・ハウス・マフィア/SHM)の名が挙げられている。SHM は10月、2022年の Coachella への出演が発表されていたが、彼らがヘッドライナーになるのかどうかは現段階では発表されていない。
しかし、Coachella の伝統として、新年の初日にラインナップが発表される傾向があるため、他のパフォーマーや新たなヘッドライナーがその際に発表される可能性もある。

なお、2022年度の Coachella は4月15日〜17日と、22日〜24日の2週に渡ってカリフォルニア州インディオのエンパイアポログラウンドにて開催予定となっており、チケットは既に完売している。