カナダは、生命を脅かすほどの精神疾患を患っている患者が MDMA と幻覚剤のシロシビンによる治療を受けられるよう連邦規制を改訂した。


一部のキノコに含まれているサイロシビンという幻覚剤は、長年に渡って臨床試験が行われてきており、カナダではこれまで「緩和医療 / 緩和ケア」としてのみ使用が認められていたが、この法改訂により「緩和ケアの領域を超えて」使用することが認められたとのことだ。

精神疾患を患っている患者の治療やセラピーが適切でなかったり効果がなかった場合に支援をする特別アクセスプログラムを通じて、MDMA とサイロシビンが使用できることになる。また、カナダの厚生大臣から法的免除が認められた場合に使用できる可能性があるとのことだ。

2020年に初めてこの提案が公となり、その後多くの議論の末、一般にもこの協議内容が公開された。一般の反応としては、圧倒的にこの提案を支持するものが多かったそうだ。

カナダ政府の声明文によると「いくつかの特定の薬物、幻覚剤である MDMA やサイロシビンは、潜在的な治療的使用を支持する科学的証拠がある」としている。

また The Canada Gazette によると「多くのカナダ人が、カナダ人のメンタルヘルスの状況に問題があると感じている」「既存のメンタルヘルスの治療法の選択肢はとても限られている。さらにその治療法も効果が乏しく、尚且つ悪い副作用も併発する」とのことだ。

※重要※
日本では、MDMAやマジックマッシュルーム等のドラッグは麻薬及び向精神薬取締法によって規制されています。MDMA の輸入、輸出、製造は1年以上10年以下の懲役。譲受け、譲渡し、所持は7年以下の懲役。サイロシビン(いわゆる「マジックマッシュルーム」))は麻薬として指定されています。