音楽ストリーミング・プラットフォームの Spotify(スポティファイ)は、Apple Music が個人向けプランを月額10.99ドルに値上げしたことを受け、これと同様の措置を取ることを検討中であることを示唆した。

アメリカ国内における2022年度のインフレ率が40年ぶりの高水準にある中、Spotify はこれまで競合の Apple Music との米国国内における激しい市場競争のため、主力プランの値上げに抵抗してきたが、先週初めに Apple Music が個人向けプランを月額10.99ドルに値上げしたことで、音楽ストリーミング・サービスの価格情勢は重大な変化を遂げた。

Spotify の値上げの話題は、ここ数年ずっと噂されていたが、同社は先週火曜日の決算説明会で、2023年に値上げを真剣に検討していることを初めて明確に示唆した。Spotify の個人向けプランは、同社が2011年に米国でローンチされて以来、月額9,99ドルのままだった。

アナリストとの会話で、Spotify の CEO である Daniel Ek(ダニエル・エク)は、価格を上げると述べている。

それが我々が行いたいことの一つであり、それは我々が我々のレーベルパートナーと(議論)するものだ。

Daniel Ek は、Apple の値上げが最終的に Spotify の財務見通しにも有利に働くことを認めている。
「競合他社が値上げをすることは、我々にとって本当に良いことだ」と Daniel Ek は説明。Spotify が同様の価格決定力を持っていると付け加えた。

決算報告書の他の部分では、Spotify は直近の四半期に1株あたり-0.99ユーロと予想を上回る損失を計上し、アナリスト予想の1株あたり-0.85ユーロに対して期待はずれとなった。
なお、Spotify の全世界のプレミアム加入者数は、前年同期比で13%増加し、1億9,500万人となっている。