楽プロデューサー/DJ tofubeats の新曲『自由』の MV を、松竹株式会社が先端技術を用いたコンテンツ及び制作ワークフロー開発の一環として、「代官山メタバーススタジオ」の LED ウォールを活用し、音、全編バーチャルプロダクションを用いて制作した。

本作は、配送業者の倉庫を舞台に、tofubeats 演じる配達員がダンボールと共に様々な場所を巡るというもの。登場する計10ヵ所以上のシーンは、全て「代官山メタバーススタジオ」(運営:ミエクル株式会社)の LED ウォールを用いて撮影されている。
MV 本編とメイキング映像では、配達員として LED ウォールの前で演じる tofubeats の姿が楽しめる。
 

【tofubeats コメント】
今回私の新曲『自由』のミュージックビデオをバーチャルプロダクションのスタジオで撮影させていただきました。精鋭メンバーのみなさんによって CG やバーチャルプロダクションの繊細さと車をぶった斬って代官山のスタジオに持ってくる大胆さが同居した面白いビデオになっているかと思います。

どこからどこまでが CG で LED ウォールなのか境目なんかも気にしながら見てみると楽しさ倍増です。楽曲と合わせてぜひ楽しんでください!


配送業者の倉庫の様子

山道を進む車窓の風景

メイキング映像も本日公開

撮影の様子がわかるメイキング映像も本日より公開される。MV 本編と合わせてぜひ観てみよう。
 


制作の経緯

松竹では、研究開発拠点「代官山メタバーススタジオ」を軸に、多様なクリエイターと共創し、先端技術とクリエイティブ制作を繋ぐことで、映画・演劇事業における新たなコンテンツ及び制作手法の開発に取り組んでいます。

本取り組みでは、技術パートナーとして、松竹のコーポレート・ベンチャー・キャピタルである松竹ベンチャーズ株式会社(東京都中央区、代表取締役社長:井上貴弘)から第一号案件として出資した株式会社stu ※3(住所:東京都渋谷区、CEO:黒田貴泰、以下「stu」)と連携し、新たな映像制作ワークフローの開発に取り組みました。

本作では映像素材を使ったシンプルな合成から、Unreal Engine5 でリアルタイムにシミュレーションされたCGを使用したテクニカルな合成まで、美術セットを組み合わせながら様々な撮影パターンを検証しました。MV の制作は、ドラマ等の制作に比べ、自由な画面構成が可能である点に着目し、結果として実証実験と映像制作を同時に進行することができました。今後もstuと共に、グローバルで展開可能なコンテンツの開発や新たな制作手法の開発等を進めて参ります。

バーチャルプロダクションについて

バーチャルプロダクションとは「LED ウォール」を使用することで、リアルタイムに CG 合成を行うことができる撮影手法です。 3DCG で作成した背景素材や実際のロケーション映像を LED ウォールに投映し、その前にいる被写体と合わせて撮影することで、実際のロケ地に赴いて撮影してきたかのような映像になります。

映像制作のフローにおいて、従来では撮影後に行われていたCG合成が撮影中に行えるようになり、早い段階で完成形のイメージを持てることから、プロジェクトの効率化とクオリティアップが期待できます。 併せて、スタジオ内で撮影が完結するため、撮影日の天候・時間・ロケ地の制約に左右されなくなります。

加えて、美術セットをはじめとした制作物が減る為、コスト削減のみならず廃棄資材の削減にも繋がります。 大規模なロケ撮影が不要になる為、移動に伴う CO2 も削減でき、環境に配慮した映像制作を実現することができます。

本作では、配送業者の倉庫のシーンを含めて膨大な数のダンボールが登場しますが、そのほとんどを CG で制作している為、廃棄資材を大幅に削減できました。

LED ウォールを用いたマジックアワーの撮影シーン

実際の撮影風景