英ブリストル発のエレクトロニック・ユニット Massive Attack(マッシヴ・アタック)とスコットランドのオルタナティブ・ロック・バンド Young Fathers(ヤング・ファーザーズ)、アイルランド・ダブリン発のポストパンクバンド Fontaines D.C.(フォンテインズ・ディー・シー)が、慈善団体の「国境なき医師団(MSF)」とガザ地区での緊急活動を支援するためのレコードとアートプリントをリリースした。
 
Massive Attack のメンバーである 3D ことロバート・デル・ナジャによる停戦デザインが施された12インチレコードには、前述の3組のアーティストの音楽が収録されている。

12インチの裏ジャケットには、国境なき医師団の医師である故マフムード・アブ・ヌジャイラ医師が、ガザ地区のアル・アウダ病院のホワイトボードに痛切に書き綴った言葉がデザインされている。
 

WHOEVER STAYS THE END,
WILL TELL THE STORY
WE DID WHAT WE COULD
※REMEMBER US※

最後まで残った者が
この物語を語るだろう。
僕らはできることはやったんだ。
※僕らの事を忘れないで※

故マフムード・アブ・ヌジャイラ医師はこのメモを書き綴った後、11月21日の空爆で悲劇的に亡くなったが、彼の同僚たちはまだガザに留まっているとのことだ。
 
3D はガザ地区での現状について以下のように述べている。

ガザ地区では病院や学校が爆撃され、言葉では言い表せないほどの数の罪のない民間人、ジャーナリスト、医師が殺害され、刻一刻と恐怖の光景が広がっているが、10週間以上に渡る悲惨な政治的失敗によって、更に悪化している。

僕らは、ガザの罪のない民間人を助けるために命を懸けて活動している国境なき医師団の医療従事者たちに畏敬の念を抱いている。今回の停戦 EP は、彼らと、本当に言葉では言い表せない状況下で継続中の驚くべき活動に敬意を表するものである。僕らはその立場を支持している。
僕らはパレスチナの人々と連帯する。

同レコードとアートプリントは Bandcamp にて現在注文受付中で、カラーレコードとジャケットの色指定はできず、ランダムに選択された組み合わせで送られてくるとのことだ。また、レコードジャケットのアートワーク、アルバムのデジタル販売も行われている。
このレコードの利益の100%は国境なき医師団に寄付され、総額は15万ポンド(約2,714万円)を超える見込みだ。

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ガザ保健省は10月7日以来、地上の攻撃と空襲により数千人の子どもを含む2万人近くのパレスチナ人が死亡、200万人近くが家を追われていると報告している。

今月初め、オーストラリアのナイトライフ施設とそこで働く労働者らによって、ガザ地区での停戦を求める新たな公開書簡が開始された。

「Nightlife For A Free Palestine」の書簡には、オーストラリアのナイトライフ・コミュニティ全体の会場オーナー、プロモーター、ホスピタリティ・ワーカー、アーティストが含まれている。

11月には、Ben UFO(ベン・UFO)、Kode9(コードナイン)、Jamz Supernova(ジャムズ・スーパーノヴァ)、Brian Eno(ブライアン・イーノ)The Blessed Madonna(ザ・ブレスド・マドンナ)、I. JORDAN(インディア・ジョーダン)といったエレクトロニック・アーティストや DJ を含む4,000人以上のミュージシャンがガザ地区での停戦を求める公開書簡に署名した。

12月初旬、ドラムンベース集団の EQ50 も、パレスチナ国内で活動する慈善プロジェクトへの資金を集めるための新たなコンピレーションをリリースしている。