アメリカ・カリフォルニア州にて、夜の街をより安全にすることを目的とした新たな法律が2024年7月から施行される。この法律は、カリフォルニア州のバーやナイトクラブに課されるもので、簡易的なドラッグ・テスト・キットを常備し、必要に応じて顧客に提供する事が義務付けられるというものこの簡易ドラッグ・テスト・キットは、自身の飲み物に睡眠薬などの薬物が混入されていないかチェックできるキットである。

Alcohol.org によると、アメリカではバーやナイトクラブで飲み物に薬物を混入され、その夜のことを翌日何も覚えていないといった犯罪が多発している。これらの事件数は2016年には320,000件に上り、女性も男性もレイプや性的暴行を受けたと報告している。


カリフォルニア州・ダブリンに住む Rosemary Barrionuveo は「これは非常に重要なことだ。特に、女性が夜に外出してアルコールを飲む場合にはね。間違った場所に間違った人たちと一緒に居たくないからね」とコメント。

ドラッグ・テスト・キットには通常、ケタミンや GHB(γ―ヒドロキシ酪酸)などの一般的な睡眠導入剤を含む薬物、いわゆる「レイプドラッグ」を検出するために必要なものがセットになっているそうだ。


サンフランシスコのバー Vesuvio のスタッフ・マネージャー Joanna Lioche は「私は長い間ここで働いていますが、ある人が他人の飲み物に手を出すのを見たことがあります。私は発見したらすぐにその飲み物を処分します、でもそれは本人が気をつけなければならないことだと思うからです」とコメント。

長年サンフランシスコでバーテンダーとして働く Joanna Lioche は、顧客の安全に守るためにできる限りのことをしているが、ドラッグ・テストのキットをその場で利用できることは理にかなっていると言う。

沢山の女性客が入ってきます。特にトイレを使用したいと思っている女性もよく入ってきます。(※ サンフランシスコには公衆トイレがない。)そして、その女性たちは、彼女らの飲み物を見張っていてね、と私にお願いしてきます。その時に私は、彼女らの飲み物をバーカウンターの中へ置き、代わりに水をテーブルの上に置くと伝えます、そうすることで、座っている座席も誰かに取られないしね、と。
今、性的暴力に繋がる危機が起きているのは確かです。ターゲットは女性、そして LGBTQ の当事者らもターゲットにされています。

バーやナイトクラブのの経営者は、2024年7月から検査キットを置くことが義務付けられるが、ドラッグ・テスト・キットの料金を顧客に請求するかどうかは経営者次第であるとのことだ。また顧客に請求する場合は "妥当な" 金額、もしくは無償で提供しなければならないとのことだ。