ミュージシャンのキャリアを通じて支援を提供する英国の慈善団体 Help Musicians と、英国の音楽ビジネスのすべての分野で働く3万人以上のミュージシャンを代表する組織である The Musiciains Union が実施した調査の報告書によると、音楽業界で働く女性の3分の1がセクハラを経験していることが明らかとなり、また回答者の半数以上が、性別による差別に直面したことがあると答えた。
更に、同報告書は女性が音楽業界で差別、嫌がらせ、キャリアの壁に直面する可能性が高いことも明らかにしている。


音楽業界の女性の 51% が、性別による差別に直面したことがあると回答し、3分の1が働いている最中にセクハラを経験したことがあると回答。また、2,526人の女性ミュージシャンを対象に調査した Musicians Census の第5次報告書には「ジェンダーの不平等は、音楽業界において依然として顕著で憂慮すべき問題である」と記載されている。調査結果は、ジェンダー差別、セクシャルハラスメント、男女間の賃金格差、キャリアアップの障壁など、女性が業界で男性よりも直面する可能性の高い、いくつかの問題を浮き彫りにした格好だ。

報告書によると、女性は男性よりも差別を受ける可能性が8倍高く、また音楽業界で働く女性は、男性よりも平均して収入が10分の1近く少ないことがわかった。女性の29% は、家庭と育児がキャリアアップの障壁になっていると述べ、27% は自分や家族を養うのに十分な収入がないと述べた。

また報告書では「クラシックや音楽劇場など、特定の種類の音楽では女性の方がキャリアを築きやすい」 ことを示唆している一方で、賃金格差が最も大きかったのは、英国のラップシーンととダンスミュージックシーンであった。