今年5月、アプリのアップデート実施したアメリカの音響機器メーカー SONOS が、そのアプリのアップデートが原因となりレイオフ(企業の業績悪化などを理由とする解雇のこと)に至ってしまったとのことだ。

今回のアップデートについては、長年 SONOS を愛用していたユーザーから多くの批判を受けたという。米メディア Digital Music News の記事によると、このアップデートで数年間アプリに搭載されていた多くの機能が削除され、その中には統合されたライブラリからの「すべてをシャッフル」機能、ボリューム数値の表示、タイマーとアラーム、EQ コントロール等も含まれていた。
このアップデートへのユーザーからの不満が影響し、SONOS の CEO である Patrick Spence(パトリック・スペンス)氏は謝罪を発表したが、更に約100名の従業員を対象としたレイオフも実施された。
 
今回のレイオフは、5月に行われたアップデートを修正する過程でも行われていた。米メディア The HR Digest は、アップデートによって生じた複数のバグ、機能の欠如、アクセシビリティの問題、その他の不具合が、同社の各部門の一般的なワークフローに混乱をもたらしたと報じている。レイオフが行われた当日、100名の従業員はただ仕事へのアクセス権を失い、後になって初めて自分がレイオフリストに載っていたことを知り、そのまま解雇されたとのことだ。SONOS によるレイオフは初ではなく、2020年のコロナウイルス蔓延の初期には全従業員の12%を解雇、その後2023年にもさらに7%を解雇している。


現在までに、SONOS はアプリの修正計画を発表しておらず、アプリを修正するために2つの新製品の発売は一時停止となった。また、アプリが多くの顧客に支持されていた旧バージョンに戻るという噂もあり、CEO の Patrick Spence 氏はアプリの質を向上させることを目指すとして以下のように述べている。

Continued commitment to the app recovery and delighting our customers remains our priority, and we are confident that today’s actions will not impact our ability to deliver on that promise.

アプリの復旧に引き続き取り組み、お客様に喜んでいただくことが最優先であり、本日の措置がその約束を果たす能力に影響を与えることはないと確信している。

日本でも SONOS ユーザーは多いので、いち早くアプリの修正が行われることを願っている。