長年にわたり実験的なサウンドを追求してきた、MC Ride（MC・ライド）、Zach Hill（ザック・ヒル）、Andy Morin（アンディー・モーリン）の3人組からなる、エクスペリメンタル・ヒップホップの先駆者として知られるバンド Death Grips（デス・グリップス）は、2019年の EP『Gmail And The Restraining Orders』リリース以降、活動が停滞していた。

そんな中、メンバーの一人であるの Andy Morin による「（バンドは）終わった」というメッセージが明らかとなり、グループが解散したのではないかと話題になっている。

Andy Morin は、MC Ride の本名を挙げながら以下のようにコメントしている。

ステファン（MC Ride）はもうやりたくないと言っている。でも、正直なところ、Death Gripsが今後どうなるかは誰にも予測できない。


Death Grips は2011年にミックステープ『Exmilitary』でシーンに登場し、翌年にはデビューアルバム『The Money Store』をリリース。一気にカルト的な人気を獲得した。
 

その後、大手レーベル Epic Records（エピック・レコーズ）と契約を交わしたが、2012年に契約を無視して『No Love Deep Web』を無断で無料公開したことで、レーベルから契約を解除されるという異例の出来事もあった。

さらに、2014年にはダブルアルバム『The Powers That B』のリリース前に突如解散を宣言するも、翌年には復活。その後も、2016年『Bottomless Pit』
、2018年『Year Of The Snitch』を発表し、2019年には Warp Records（ワープ・レコーズ）の30周年企画の一環としてEP『Gmail And The Restraining Orders』をリリースした。

彼らの音楽は、パンク精神を根底に持ちつつ、インダストリアル、ノイズ、ローファイ、ダークエレクトロニクスなどを融合。その予測不能なサウンドと、暴力的とも言えるライブパフォーマンスは、多くの音楽ファンを魅了してきた。
 

2022年には、SNS でわずか15秒の未公開音源が投稿され、ファンの間では新作の期待が高まった。しかし、結局その後のリリースはなかった。
 
気まぐれな彼らのことなので、今回の解散報道も本当なのかどうなのか、本人たち以外は知る由もない。現在まで彼らは数々の予測不能な行動を起こしてきた。解散してもまた突然の復活を果たす可能性も否定できないだろう。今後の動向に注目が集まる。