頭頸部疾患の診断と治療の進歩に関する医学誌「The Laryngoscope」に掲載された新たな研究結果に夜と、EDM ファンは他のジャンルのファンよりもライブイベントにてイヤープロテクターを着用する傾向が高いとのことだ。

南カリフォルニア大学のケック医科大学の研究者らが実施したこの研究によると、EDM ファンの70％が聴覚保護具を使用しているのに対し、他ジャンルのコンサート参加者では59％程度であることが明らかとなった。
また EDM ファンは、音量を抑えながらも音質を維持する高音質耳栓を使用する割合が、他のジャンルに比べほぼ２倍近いとのことだ。

一方で、EDM ファンはライブイベントに長時間参加することが多いため、イベント後の耳鳴り、長時間の騒音への曝露により他人の声が聞こえにくくなる等の症状を訴えるケースが増えてきているとのことだ。


外部からの音源がないにも関わらず、耳や頭の中で「キーン」という音やブザー音、シューという音が聞こえるという症状を特徴とする "耳鳴り" は、慢性的なものも多く、現在明確な治療法は見つかっていない。

これまでに、Martin Garrix（マーティン・ギャリックス）、Daft Punk（ダフト・パンク）の Thomas Bangalter（トーマ・バンガルテル）、Alesso（アレッソ）等のスーパースターを含むエレクトロニック・ミュージックのプロデューサーが耳鳴りの症状を訴えてきており、中でも Alesso は深刻な症状に苦しみ、14年間のツアー活動で初めて大規模な公演キャンセルとなった。

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この調査によると、EDM イベントでは米 OSHA（労働安全衛生局）の聴覚障害の閾値である85デシベルを大きく上回る136デシベルの音量が頻繁に発生しており、それを知るイベント参加者たちは聴覚障害を懸念し、イヤープロテクターの有効性を強く信じているが、他のジャンルのファンはイヤープロテクターを「不要」「音楽の質を落とす」と見なしているとのことだ。

この調査では、ライブによるイヤープロテクターの有効性も強調している。イヤープロテクター使用後、EDM イベント参加者の症状は、耳鳴りを除いて減少しているとのことで、また EDM ファンたちは仲間内でイヤープロテクターを勧められることが多い点も挙げられており、音楽コミュニティ内での繋がりが安全対策の普及に役立っていることも示唆されている。


>>「安全なサウンド：EDM 参加者の聴覚保護具に関する独自の実践」と題された調査の全文はこちらから