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2020年4月。コロナによってキャンセルを余儀なくされた、ELECTRIC UNIVERSEのレーザーハープ・コンサートが、2年以上の時を経てサイトランスの聖地・クラブチッタ川崎でついに実現した。
レーザーハープはまさにハープ(竪琴)のようにレーザーを弾くことで音を鳴らし、その弦に触れる高低によって変幻自在に音色を変える先進的な楽器。日本ではそのライブを実際には誰も見たことがない未知の楽器でありライブだったが、実際のパフォーマンスは想像以上で、その体験は、会場に来た誰もが驚きを隠せない圧倒のステージとなった。
事実、この企画を実現するためにアーティストは通常よりも早いスケジュールで来日し、前日金曜の深夜に特別に会場を抑えて前日リハを行い本番に備えた。レーザーハープのセッティングは複雑で機材も多く、更にアーティストを取り囲むLEDバーの照明もELECTRIC UNIVERSEのラップトップでコントロールされ、ライブセットと完全に同期したシステムになっている。
しかも彼らはその全ての機材をドイツから持ち込んできた。
パーティーは12月10日、土曜23:00オープンのオールナイト公演。
クラブチッタのメインステージでサイケデリックトランス。併設のA'TTICがテクノフロアという2フロア構成で開催された。
フロアは早くから良い雰囲気で盛り上がり、特にクラブチッタの音質・音量に感動したという声が多く届けられた。
そしてパーティーも佳境に差しかかった3:30。@raki、MIROK、LAZZZYと繋いで十分にフロアが温まったところで、会場が完全に暗転。ELECTRIC UNIVERSEが登場しステージ中央のレーザーが緑色に輝くと、ミラーに反射した光がフロアを扇状に包み込んだ。
実はこのレーザーの正面にはカメラが仕込まれており、手をかざして光った部分の位置情報とその移動のデータを音に変換してコンピューターから音を鳴らすというシステムだという。
特に驚くべきは、ほとんど遅延を感じさせない応答速度。
時に即興で変化をつける演奏でライブ感を強調し、稀に音程を僅かに外すことすらライブらしさとして感動を覚える。
そして変幻自在に音色も変わり、時にはパーカッションとしてパフォーマンスと共にフロアを盛り上げる。
ライブは90分にわたるセットであったが、つい先日リリースされたニューアルバムからの楽曲も多く、ELECTRIC UNIVERSEならではのアジア・中東をイメージさせる楽曲でファンの心をガッチリと掴み、その上で本人がエネルギッシュに踊り、煽り、そしてしっかりと聴かせる。ノンストップで全く飽きさせることなく見事にコンサートとしてのパフォーマンスを完遂しきっていた。
イベント後にはアーティスト自身が今回のステージを「過去最高に安心できる状態で、最高の演奏ができた。」と表現してくれた。
来日直前には、所属レーベルの移籍もあったELECTRIC UNIVERSEだが、それもこのレーザーハープを世界中で展開するための戦略的な移籍だという。そして事実、来年には世界的に有名なビッグフェスティバルでレーザーハープでのパフォーマンスが既に決まっているという。
更に将来的には、照明や映像までをシンクロさせ壮大なプロダクションを思い描いているという。
サイケデリックシーンのライブアクトととして、世界的に見ても台風の目になることは間違いないELECTRIC UNIVERSEのレーザーハープ・コンサート。
この貴重な来日を体験できた全てのオーディエンス。そして、パーティーを共に創り上げくれたDJ、アーティスト、スタッフの全員に感謝と祝福を贈りたい。
是非ageHaとDANCE ON THE PLANET。そしてELECTRIC UNIVERSEの今後の展開にご注目ください。
本当にありがとうございました!!