2000年代を代表するクラブ・アンセム「It Just Won’t Do」で世界中を熱狂させ、名実ともにトップDJの座に上り詰めたティム・デラックスが4枚目となるニューアルバム『The Radicle』を3月5日にリリースします。

今回のアルバムのテーマはジャズだ。今までも断片的にジャズ・ネタを使ったことはあったが、今回は最初から最後まで、ジャズやジャズ・ファンク、ソウルを意識した曲作り、楽器使いが見られる。ジャズのみならず、レイド・バックしたジャズ・ファンク調のナンバーや、ジャズ・ハウス、他にもピアノやギターがふんだんに用いられる他、ビート・プログラミングもジャズ・ドラムからのサンプリングが軸となっている。この他スピリチュアルなムードが漂うナンバーやインド音楽をモチーフした曲など、曲想も豊かでポエトリー・リーディングをフィーチャーした作品が多いのも特徴だ。もちろん、これはギル・スコット・ヘロンやラスト・ポエッツなどをイメージしているのだろう。収録曲「So What!」(マイルス・デイヴィスのカヴァーで、エディ・ジェファーソンのヴォーカル・ヴァージョンをモチーフとする)は、かつてのパル・ジョーイの作品を想起させる。全体的なサウンドの傾向としては、1990年代初頭の〈New Groove〉や〈Eight Ball〉といったNYのレーベルに残されたジャズ・ハウス、マスターズ・アット・ワークの諸作に近い。ここ最近は9! 0年代ハウスのリバイバルが言われるが、このアルバムもまさにそんなアイデアによる作品なのだろう。今作は今までのティム・デラックスのイメージを、大いに覆すアルバムとなるだろう。

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また、最新アルバムと共に3年振りの来日も決定。2月28日(金)WOMBと3月1日(土)ONZIEMEにてプレイします。東京公演の前売チケット(¥3,000)をこちらでゲットしよう。