マイアミをベースに活動する、トラップやダブステップなどのベースミュージックを得意としている DJ/プロデューサーの Nitti Gritti(ニッティ・グリッティ)


彼の代表的な曲として挙げられるのは「Famous」「Too Much」「Sick」などで、彼の名前に聞き覚えはなくても、それらの曲を聴いたことがある方は多いのではないだろうか。
 
 
 

【Nitti Gritti】というステージネームは、幼い頃、宣教師の子として両親とともに8年間ハイチで生活していた時期があり、本名である【Ricky】の発音がハイチにはなく【Niitti】と呼ばれていたことに由来しているという。

またプライベートでも親交が深く、一緒にツアーを行ったこともあるアメリカ出身のデュオ Bonnie X Clyde の Paige Lopynski の提案で、ベース系プロデューサーの名前に似合う響きの【Gritty】を付けて、最終的に【Nitty Gritty】というステージネームになったとのことだ。


Nitti Gritti はこのカリブ海に浮かぶ国、ハイチで初めてハウスミュージックに触れ、Major Lazer などのサウンドに魅せられることになる。

学生時代バンドに打ち込んでいたが、大学4年生のときに趣味として音楽のプロデュースをスタートしたが、なにより大きなきっかけとなったのが Skrillexの存在であった。彼の音楽に影響を受けダブステップについて独学で学び、2013年に本格的にプロデュースの道へ進むことを決意した。

エレクトロニックダンスミュージックにハマる前はというと、Senses Fail, Brand New, Taking Back Sunday, Sum 41といった90年代後半から2000年代初期のエモ、ポップパンク、ハードコア等を専ら聴いていたとのこと。

そのほかにも Chris Martin, Dr. Luke, Max Martin, Benny Blanco, Wesley Pentz, Adam Lazzara, Jesse Lacey, Frank Sinatra, Kanye West, Eminem, Travis Scott など、ロックやヒップホップ、ポップなど様々なジャンルのアーティストたちからもインスピレーションを受けたという。


そのため2017年に出したEP『C'est La Vie』では、エレクトロとラップを融合させたスタイルとなっているのも納得できるかと思う。

現在はこれらの音楽をミックスさせ、Pendulum のようにライブミュージックをエレクトロミュージックと融合させることを目指しているそうで、このように現在のスタイルを確立するまでにさまざまなジャンルを経てきたのが分かる。

そこからは飛ぶ鳥を落とす勢いで、Steve Aoki のレーベル【Dim Mak】から「Badlands」を、Tchamiのレーベル【Confessions】から EP『Fear』をリリース、DiploDJ Snake, Tchami, Dillon Francis, Krewella, Jauz, Slander, NGHTMRE などトップ DJ たちからもサポートされている。
 
 
 

2017年にはワールドツアーも成功させ、【EDC】【Life In Color】【Okeechobee Music & Arts Festival】などのビッグフェスにも出演済みで、今年の【Miami Music Week】では 4B がホストを務める【4B & Friends】をはじめとする多数のイベントにも出演した。
 

「Ricky Mears」としても活動中!


Nitti Gritti は本名である【Ricky Mears】としてもDJ/プロデューサー活動をしている。

バンドで活動していた経歴を持ち、ドラムやギターの腕前でも有名な Nitti Gritti は、EDM シーンだけにとどまるつもりはないと語っており、Ricky Mears 名義での活動は、ライブミュージックに力を入れたプロダクションとなっている。
 

Ricky Mears としては、過去には Seven Lions「Coming Home」を本人と一緒にリミックスしたり、EP『Deliverance』のリリース、 Bob Marley, Flume, SBCRといったアーティストのリミックスも提供している。
 

また Ricky Mears として Above & Beyond のコンテストで優勝したことがあり、彼らと一緒にスタジオに入った経験まで持つ。

もともとは Ricky Mears として活動していたが、更に幅広いスタイルの音楽を作りたいときに Nitti Gritti 名義で曲を出しているという。今後も、どちらのプロジェクトでも活動していくとのことなので、それぞれのプロジェクトがどのように成長していくか非常に楽しみだと本人は語っている。


ちなみに、先日リリースしたばかりの Vlien Boyとのコラボ曲「Bailando」はジャージー系のサウンドとなっており、また新しいスタイルを見せてくれた。
 

「Ricky Mears」と「Nitti Gritti」、それぞれのプロジェクトが今後彼をさらに大きく成長させてくれることだろう。

Written by MNN