「モデルは私のやりたいことじゃなかった」世界的に活躍するトップモデルである彼女から開口一番に出たのがこの言葉だった。レッドカーペットやランウェイを鮮やかに彩るトップモデルでありながら、世界各地のクラブやフェスでギグをこなし、自身でも楽曲のプロデュースをこなす。モデルとして、そしてDJ/プロデューサーとしての2つの顔を持つ彼女に「音楽」と「ファッション」の結びつきや、それぞれのスタイルについて話しを伺った。

Text:JUN KATO(FLOOR / Night Out)


読者の中には、モデルとして大成功して、その流れでDJに転身したと思っている方もいると思います。しかし過去のインタビューでは「元々、音楽をやりたくて、モデルは、請求書を払うためにやってる」と仰っていたのが印象的でした。

「以前から、モデルは私の本当にやりたいことじゃないってわかってたの。生まれもった外見だけじゃなく、タレント性で評価されたかったの。」

ファッション・アイコンとして、そしてDJ/プロデューサーとして、2つの顔を持っています。あなたにとって「MUSIC」「FASHION」この2つの関連性を教えて下さい。

「双方が別々にインスパイアをくれるの。ステージに立っているといろんな側面の私が出てくるんだけど、パンクな恰好をしていれば、ロックスターな気分になるし、パフォーマンスもハードになるわ。ベルサーチのガウンを着て、ヘッドバングすることはありえないしね」

華やかなファッション・シーンとダンスミュージック・シーンの双方で活躍されてますが、それぞれ選曲で意識されていることはなんですか?

「それは全然違うわね。ファッション•イベントは、クラブやフェスより繊細。メロウなサウンドが中心なんだけど、私のスタイルはキープするようにしてる。クラブでは、ポップで盛り上がる曲をかけるわ。ただ、誰も聴いたことのないようなリミックスで個性を出すようにしてね。フェスは、私のニュー•シングル“Global Warning”のような、私オリジナルのエレクトロニック・ミュージックを激しいダンスミュージックとミックスしてる。良いDJになるには観客に合わせて変化できないとダメ。そして、バイブスが途切れないように一瞬で音を変えれないとね。観客を感じられないとダメだと思うわ」

では続いて、あなたがプロデュースする楽曲に関して伺わせて下さい。代表曲である“LIVE LIFE”のようなダーティなベースラインが特徴なエレクトロハウスや、美しい旋律のメロディをもつProgressive Houseなど、EDM系が多いですが、作曲する際に意識されていることはなんですか?

「私が伝えたいメッセージに基づいてやってるの。コンセプトがまず浮かんできて、そのコンセプトに合わせてトラックを作る。最初に歌詞が浮かんでくることもよくあるわ。で、音がきてメロディーラインをのせる。つまりストーリー性とコンセプトが最も重要なの。歌詞とかメロディを描いてると、頭の中でその曲のミュージック・ビデオが自然と浮かんでくることもあるわ」

影響を承けているアーティストやコラボレーションしてみたいプロデューサーは?

「Nervoっていう女の子のデュオには影響を受けたわ。私が理想としている女の子のアーティストは、彼女たちくらいじゃないかしら。コラボレーションとなると、スティーブ・アオキとなにかできたら最高ね。彼はいろんなタイプのアーティストとコラボするのがとっても上手いから。」

アフロジャックがプロデュースしたParis Hilton の“Good Time”のリミックスでは、ヒップホップ・ビーツを混ぜたブロウステップ的なアプローチも取り入れてますね?

「パリスとアフロジャックのトラックはすでに出来上がっていたから、似たような感じに聞こえちゃうのが嫌だったの。Lil Wayneが参加してるし、Trapの要素を入れることでヒップホップのエレクトロニック版みたいな感じにしたらフィットすると思ったのよ。そうしたら大成功。みんな気に入ってくれたみたいで嬉しいわ」

そういえば、Paris Hiltonと一緒に曲を作ったりしないのですか?

「まだわかんないけど、パリスとは本当によい友達よ。お互いに曲を送りあって、アドバイスし合ったり、私のラジオ番組「Heartbeatz」にも、彼女の音楽とクールなプロジェクトについてよく話してくれてるわ」

あなたのファッションを参考にしているファンは多いと思います。ハイブランドのレセプションでは、ドレスアップしている姿を良く見かけますが、クラブやフェスでは、どのようなファッションが好きですか?

「思いっきり遊びたいから、身動きのとりやすい洋服がいいわ。セクシーすぎる感じは好きじゃない。私が体現したい“強い”イメージにはそぐわないしね。レギンスは動きやすいから好き。あとはコンバット•ブーツがベストね。ヒールははかないわ、ダイブできないし(笑)」

メイクに関しても教えて下さい。CLUBでのパーティ・メイクとレセプションなどのフォーマルなパーティ・メイク。それぞれのシチュエーションで気を使っていることやテクニックを教えて下さい。

「フェスでは極力シンプル。暑い日中に汗をかいて、DJが終わると顔がグシャグシャなんで嫌だから。ただリップには気を使ってるわ。濃い色が好きで、あとはマットしかつかわない。グロスも使わないな。髪の毛がくっついてメイクが崩れるから。あとはウォータープルーフのマスカラくらい。クラブは暗いからメイクも濃くするの。クラブのライトで映えるようにラメや明るい色のリップを目立たせてね。しっかり化粧をするのはファッション・イベントぐらい。着ているハイブランドのドレスとも合わないからね(笑)」

Caroline D'amoreは3月14日(金)にJapan Fashion Weekに向けて表参道 Origamiで開催される「Fashion Festival-KALEIDOSCOPE-」に出演します。イベントの詳しい情報はこちら