1日目の後半から雨となり、2日目も1日中雨降りとなってしまった今年のフジロック。しかし3日目の朝には曇り空の合間に青空が見え、途中雨模様となるも、そこまで本降りにはならず、比較的ライブを見やすい環境の1日となった。3日目となり、疲労が蓄積してきたフジロッカーたちにはありがたいことだったのではないだろうか。


フジロック3日目で要注目株として期待されていたWHITE STAGEBONOBO。待望のバンドセットでのライブは、ファンの大きな期待を裏切らないものとなった。今年のフジロックのベストアクトとして挙げる人も多いようだ。外国人客のファンの姿も多く、それだけ国際的に注目されているアーティストであるということが窺い知れた。BONOBOは今回、ベースを演奏しながら他の機材も弄りつつ…というスタイルでの演奏であった。ゆったりとした曲調のElectronicであるBONOBOの楽曲だが、オーディエンスはじっくりと曲に聴き入る人、ダンスに興じる人と、一人一人がそれぞれが自分なりの楽しみ方をしているように見えつつも、会場全体には心地良い一体感があった。入場規制がかかってしまい、貴重なライブセットが見れなかったという人も多かったようだが、来年2月には東京大阪単独ライブがあるので、フジで見逃してしまった人は要チェック


3日目のGREEN STAGEのトリである音楽シーンの重鎮Bjorkの前を飾ることとなった歌姫LORDE。そのシチュエーションだけでも相当なプレッシャーを感じそうなものであるが、それをものともせず、若干20歳にして貫禄のあるライブを披露してくれた。エモーショナルで多感な年頃の少女の内面が滲み出るような歌詞とパフォーマンス、それとは相反する厚みのあるライブで観客を感嘆させた。今回のライブにて彼女の日本国内での評価は更に上がったに違いない。


Bjorkは、前回のフジロック出演時にはテスラコイル等を駆使した巨大な舞台装置でオーディエンスを圧倒したが、今回はストリングス隊を引き連れてのライブを披露し、フジロック最終日のメインアクトとして素晴らしい感動をオーディエンスに与えた。ステージ上には、1日目に深夜のRED MARQUEEにて、JESSE KANDAの映像とともに衝撃的なDJセットを披露したArcaの姿も。曲のリズムにピッタリと合った花火と炎の演出のHyperballadで、2017年フジロック最終日のグリーンステージは感動的に幕を閉じた。


Bjorkのウラでは、FIELD OF HEAVENにてTHUNDERCATがフジ初出演。ドラム、キーボード、そしてTHUNDERCATの6弦ベースでのトリオ編成でのライブとなった。うっとりするようなグルーヴィなサウンドとボーカル、そして超絶技巧のベースに魅せられ過ぎて口をぽかんと開けて聞き入っているオーディエンスが多かった。一見シンプルで落ち着いた曲調が多い中での絶妙な音のやりとり、弦の上を完璧で気ままなステップで走り回るようなTHUNDERCATのベースプレイが心地良くも興奮を誘う、変態ベーシストとの評価を裏付けるようなライブとなった。


WHITE STAGEのトリはMAJOR LAZERDiplo、‎Jillionaire、Walshy Fireが、アッパーなEDMで会場を盛り上げた。フジロック最終日、観客たちの疲労も吹き飛ぶような、頭をカラッポにしてひたすら踊り狂えるようなEDMで、雨でのぬかるみももろともせず、会場全体がお祭り騒ぎのダンスフロアと化した。スモーク噴射でライブが始まり、ライブ終了までノンストップでハイテンションなステージとなったが、やはり注目すべきは彼らのオーディエンスの煽り方。大きなバルーンにDiploが入って観客たちの上を転がり回ったり、観客に指示出ししてアクションを要求したりと、あそこまで観客とアーティストが一体となってライブを楽しんでいる様子はなかなか見られるものではない。「ライブって楽しい!」という素直な気持ちになれる、とにかくアゲアゲで息付く暇もないようなライブとなった。