9月17日から19日の3日間にかけてお台場、ULTRA PARKで開催されるULTRA JAPAN 2016。最終日となる9月19日には1日目、2日目の盛り上がりにさらなる期待を寄せたファンが開場前から列を作っていた。



11時のメインフロアのオープニングアクトはbanvox。日本が世界に誇り、そして熱い期待を受けているトラックメイカーだ。banvoxは自身の楽曲「New Style」や「Summer」などといった自分の楽曲に加えてGhastly「Get On This」など交流の深いアーティストの楽曲をプレイ。常に音楽を愛し、海外アーティストとの交流も深めてきた彼のみぞ知る視点でオープニングアクトとしての役割を存分に果たした。



何よりも最終日はRESISTANCEステージはメインフロアに負けず劣らず、日本や海外から絶大な支持を受けるアーティストたちがステージに立つ。早い時間からLicaxxxがフロアを温め、KEN ISHIIの重厚なテクノサウンドでオーディエンスは心酔。TAKKYU ISHINOは音楽を通してオーディエンスと心のキャッチボールをし、フロアには完璧な一体感が生まれた。



RESISTANCEステージで洗練された音を満喫した後にメインステージにはKSUKEが登場。彼は2014年に本場マイアミで開催されるULTRA MUSIC FESTIVALに新人では異例の大抜擢を受け、今や世界のアーティストたちと肩を並べる存在になった若きスターだ。KSUKEはHER IN MY NAMEやf(x)のamberを迎え、豪華なライブでもオーディエンスを魅せる。さらにKSUKEはオリジナル曲「Weightless」や「WE ARE YOUR FRIENDS」をプレイ。のちにダンスミュージックシーンのキングとして君臨することになるであろう彼の貴重な50分だった。
そんなKSUKEはパフォーマンス後にiFLYERアンバサダー佐々木まゆとSnapchatを撮影。メインステージでパフォーマンスを終えたばかりのKSUKEとiFLYERの単独インタビューの様子を近日公開予定。乞うご期待を。



KSUKEに続くのはトロピカルハウスのシーンを黎明期から支えてきたThomas Jack。サーフィンスクールのシャワー室でダンスミュージックと出会ったという彼のバックボーンからなる混じり気のないトロピカルサウンドでフロアがさざ波のように揺れる。Eric Sneo Feat. Chris The Voice「Shut Up And Dance (Pleasurekraft Remix)」やGregory Porter「Liquid Spirit (Claptone Remix)」など、お昼時にはぴったりな選曲でオーディエンスは和やかな時間が過ごせただろう。



そして忘れてはいけないのがJauz。「Feel The Volume」や「Rock The Party」でベースハウス界でイノベーションを起こした革命の風雲児だ。「Jauz」の名前が体現しているように彼の感性はサメの歯のように鋭く、フロアにいる者を彼の世界に飲み込んでしまう。ダブステップやエレクトロを自在に操り、Jauz & Netsky「Higher」やMoksi「Lights Down Low」、Mat Zo & Porter Robinson「Easy」など様々なアーティストの楽曲をプレイ。セットリストにはIDも含まれており、「This Is New Track!!」のシャウトにファンは歓喜。DJとしてのプロ意識が高い彼のパフォーマンスには歓声が止まなかった。



続いてはJauzの兄弟的存在であるMarshmelloが登場。彼の熱烈なファンは自作のMarshmelloコスチュームで賑わい、Marshmelloの登場を心待ちにしていた。この日はあいにくにも雨が降っている時間が長く、レインコートを着ているファンの姿が多く見受けられた。しかし、レインコートのフードを被って踊っているオーディエンスの姿はMarshmelloにも見え、フロアは白で埋め尽くされた。この日に降り注いだ雨は4ヶ月ぶりの再来を祝福するための雨だったのかもしれない。Marshmelloは自身の楽曲「Know Me」でスタート。途中、JauzとのコラボトラックではJauz本人が登場するサプライズもあり、最近のMarshmelloの定番「Alone」でフィニッシュ。



2組のベースサウンドの全身が温まってきたころに登場するのはNERO。NEROはイギリス出身のダブステップデュオ。Skrillexとの「Promises (Skrillex & Nero Remix)」は、グラミー賞も受賞している彼らがライブセットを披露。「Dark Skies」「Promises」「Reaching Out」でファンの心を完全にロック。これまでのアーティストたちとは少し違った路線を進む2人はまさにアーティスト。NEROはMVで東京を舞台にした「Into The NIght」でも描かれていた、彼らの中での「TOKYO」という街を音楽で表現した。



2013年、17歳の時に発表した「Animals」がスマッシュヒットとなり、エレクトロ界のライジングスターとして一目置かれ、今や世界トップアーティストとして君臨するMartin Garrixがステージに現れると、ULTRA PARKに歓声が鳴り響いた。MARTIN GARRIXは約90分のセットを「Poison」でスタート。その後も「Tremor」と「Waiting For Love」で大合唱を誘い、「Now That I Found You」「Oops」など、Martin Garrix自身が主催するレーベル「SMTPD RCRDGS」の楽曲も続々プレイ。常にアップテンポなキラーチューンで休みを与えずに限界までテンションを上げ続けるMartin Garrixのパフォーマンスに負けじと常にハンズアップし、縦に揺れるオーディエンスの姿はMartin Garrixの目にも忘れられない光景として脳裏に焼きついただろう。



ついにイベントの大トリの出番がやってきた。誰もが待ち望んだダンスミュージックシーンのレジェンド、Tiestoの登場だ。
How You Feelin' TOKYO!!
の問いかけにも全力で応える。開演から約8時間が経過していたが、その疲れも感じさせないオーディエンスにTiestoも全力でプレイ。スピーディな展開で「Split (Only U)」「Secrets」「Red Lights」と、自身のアンセムを連発してすぐにThe Chainsmokers「Roses」で束の間の休息を入れたかと思えばバウンス系で再びジャンプを促す緩急あるプレイは長年の経験あってこそのプレイスタイルだ。彼のプレイを体感した方は彼がAviciiやHardwellなどのアーティストたちから尊敬されるその由縁が分かったはずだ。



Tiestoのパフォーマンスの最後にはULTRA JAPAN 2016のフィナーレを飾る花火が盛大に打ち上げられた。あの美しい光景に涙した人も少なくないだろう。こうして、3日間に渡るダンスミュージックの祭典が大盛況のうちに幕を閉じた。



世界中のトップアーティストが集結し、忘れられない3日間を作り出したULTRA JAPAN 2016。
AWAによるULTRA JAPAN 2016 DAY3のプレイリストを聴いてこのレポートとともに是非会場の臨場感を感じてほしい!