2009年に19歳で Enhanced Music から EP Vanilla Sky でデビューを果たした Arty(アーティ)。2010年、Ferry Corsten のレーベル Flashover Recordings から「Bliss」– Alpha9 をリリースし、このトラックが Armin van Buuren の A State Of Trance 550: Invasion に収録されたことで注目を浴びた Arty だが、その実力はもちろんのこと、とりあえずとにかく色白のロシア人イケメン(美少年系)なので今後人気が急上昇することは間違いないアーティスト! 今のうちからチェックしておこう !!


 

Arty は、2010年に Above & Beyond のレーベル、Anjunabeats と契約。2011年には、Axwell のレーベル Axtone Records から Matisse & Sadko とのコラボトラック「Trio」をリリース。

2014年、ロシア人アーティストして初、アメリカのレコードレーベル Insomniac と契約し、デビューアルバム『Glorious』を Insomniac Records からリリースした。制作には2年の歳月をかけ、このアルバムのために約40曲も作曲し、その中からアルバムのテーマに沿った曲だけを選び収録されたという気合の入れよう。

また、他にもArty は Tritonalがco-owned​ を務める Enhanced Music 、 Paul van Dyk のレーベル​である Vandit Records 、EDCの主催でも有名なアメリカのレーベル​ Insomniac Records 、Above & Beyondのレーベル​である Anjunabeats、Axwellのレーベル​である Axtone Records、Hardwellのレーベル​である Revealed Recording、そして Spinnin’ といった多数のレーベルからトラックをリリースしている。

2017年2月には、アメリカ人シンガー Maty Noyes(マティー・ノイズ) とコラボした「Falling Down」– Arty feat. Maty Noyes をリリース。

2017年6月には韓国系アメリカ人である K-popシンガー Eric Nam(エリック・ナム) とのコラボ曲「Idea Of You」– Arty feat. Eric Nam をリリース。この楽曲は Arty としては初めてポップスのジャンルに挑んだものとなった。

そして、2017年9月には Martin Garrix のレーベル STMPD RCRDS から「Supposed to Be」- Arty をリリース。この楽曲について Arty は以下のように発言している。

"Working on this record was an unbelievable experience. The lyrics are so meaningful and powerful that I wanted to make sure that all of the instruments I was using were reflecting the overall significance of the song. We all go through the tough moments in our life when we lose purpose, get stuck in the past, and don’t see how to move on. At these points, we need to remember that God is smiling on us and we have so many reasons to live. " 

“この楽曲制作はとても信じられないような経験だったよ。歌詞にはすごく意味があって、強いメッセージ性がある。だから僕がこの曲で使っている楽器達が、このトラックに確実に反映するように考えながら制作したんだ。人生で目的を失ったときや、過去に捕らわれて前に進めないとき、みんなすごく難しい時間を生きていて、どうやって前に進めばいいかわからないときがあると思うんだ。そんな時、神様はいつも微笑んでいてくれていて、僕達には沢山の生きる意味を持っていることを思い出してほしいんだ。”

 

今までに、Armin van Buuren、Above & Beyond、Mat Zo ともコラボを果たしている Arty。あるインタビューでは、

”尊敬しているアーティスト、Axwell や Porter Robinson などともコラボしたい、実はもう制作は始まっているけどまだ完成していなんだ。”

と発言している。近い将来リリースされるであろうこのコラボトラックには期待大だ。

現時点では、Alpha9 として EDC Las Vegas、カナダのフェス Escapade や、Tomorrowland に出演する事が決定している。
 

「Arty」としての活動と「Alpha9」としての活動の違いは?

Arty と Alpha9 はもちろん同一人物ではあるが、全く別のタイプの音楽にフォーカスした別プロジェクトである。Arty はダンスミュージック、Alpha9 はprogressive/trance のプロジェクト。それぞれブランド戦略やリリース、ライブセットなども全く異なるものとなっている。Arty 本人も Arty として出演する時は Alpha 9 のトラックは使用しないと発言している。


 

Artyの今後の活動について

実は2010年からAlpha9 としての活動は実質休止中であったが、2017年には活動を再開するとの報告があった。

Arty は、1つのジャンルにとらわれず楽曲作りをしたいと語っている。そのジャンルが好き、嫌いと言う理由ではなく、アーティストとして沢山の音楽を聴き、さまざまなジャンルの音楽からインスピレーションを受け、幅広い楽曲作りをすることによって、創造力が育まれミュージシャンとして停滞せずにいられる、とのことだ。ただ、こういった楽曲作りを長年していた結果、彼の元々の音楽ルーツからだんだん離れていってしまったとも語っている。


さまざまなジャンルのトラックを制作、リリースしてきた Arty/Alpha 9。いい意味では、毎回違ったジャンルのトラックをリリースしファンを驚かせてくれているが、おそらくは厳しいフィードバックを受けることもあったのではないだろうか。Alpha 9 を再始動すると発表した際には、Facebook でファンに向けて下記のメッセージを投稿している。
 
以下、Facebookから抜粋。

“こういった楽曲作りを理解してくれる人もいれば、理解してくれない人もいるだろう。ただ僕のトラックは、トランスであろうがポップスであろうが、魂を込めて制作したトラックなんだ。ここ数年、僕のトラックを聴いてくれるファンのフィードバックに耳を傾けている。おそらく人々は、ファンのフィードバックを無視したり、ファンの期待を無視してやりたいことをやる事はアーティストとしてすごく簡単だと思っているかもしれない。
でも、本当は違うんだよ。そういったフィードバックに耳を傾けたときに、僕の中にある新しいアイディアが、頭の中でぶつかりあうんだ。もちろんフィードバックや、ファンのサポートにはすごく感謝していて、僕がデビューしてからずっと助けてもらっている。ただ、僕のトラックたちがファンの期待に応えられていなかったと知ったとき、自分では気が付かないうちにそういったことに自分のどこかでプレッシャーを感じていて、ファンを満足させたいと思い、自分の楽曲に対して妥協し始めてしまったんだ。


更にこう続けている。

2016年はすごく素晴らしい年だった。アーティストとして、人間として、自分を再発見する年だった。今までやっていたアルバム制作などの習慣から自ら抜け出してみたんだ。その時期はまるで悪夢を見ているような感じだった。
でも、その時期を通り過ごしたら、すごく自由だと感じられるようになった。僕は長い間、インスピレーションを感じたり、生産性が高いと感じたことはなかったんだけど、2016年も終わりに近づいたとき気が付いたんだ。僕の今の音楽は昔と比べて随分変わったってことを。それと同時に僕は、ずっとファンで居てくれる長年のファンを置き去りにしているんじゃないかって。そこで Alpha 9を復活させようってアイディアが浮かんできたんだ。” 


若くしてキャリアと実績を得た彼は、きっと長い間プレッシャーに悩まされていたのかもしれない。2016年、悪夢のような時期を過ごしやっと今までのプレッシャーから解放され、ようやく2017年からデビュー当初のようにアイディアに溢れた自分に戻れたのかもしれない。


2018年の某インタビューでは、2017年に Alpha 9 の再始動を始めてから Arty と Alpha 9 の両立に苦戦したと答えている。そして2018年、Arty は Arty として、更にAlpha 9 としてもリリースしている。
Alpha 9 として再始動を決め、2017年は彼にとってその準備期間だったのだとしたら、2018年はきっと Arty/Alpha 9 として大きな飛躍の年になるに違いない。

Written by SAORIMILK