レッドブルによる都市型音楽フェス【RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2018】。今年のは「音楽の解放区」というテーマを掲げ、東京の街全体を舞台にした音楽イベントの数々が、2018年9月22日(土)〜10月12日(金)までの約1ヶ月間にわたって開催される。

その第一弾となった【62 MINUTES YAMANOTE LOOP】は、タイトル通り、JR山手線の車両内で開催されるという一風変わったイベントで、常に実験的・挑戦的な姿勢を崩さない RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO の2018年度の開幕に相応しいイベントとなった。


車両は、外も内も RED BULL MUSIC FESTIVAL の広告で埋め尽くされ、更に「秋葉原 Omodaka」「池袋 ちゃんみな」「原宿 Licaxxx」と、出演アーティストの名前とその芸風?をイメージした駅名が書かれた赤い提灯や RED BULL MUSIC FESTIVAL の暖簾が車内の手すりに吊るされたりして、フェスティバル感を盛り上げていた。
 

更に、車内放送もこの車両専用の RED BULL 仕様となっており、車掌による抑揚を抑えた車内アナウンスも普段と同じようでちょっと違う、RED BULL MUSIC FESTIVAL 向けのものとなっており、それを耳にした来場者たちからは早速ワッと興奮の声が上がった。

13時18分に車両が大崎駅から発進すると同時に、車内に流れる音楽はボリュームアップ。車内には特設のサウンドシステムが組まれ、普段の車内アナウンスとは比較にならないサウンドで来場者の体を揺らす。


出演アーティストの Omodaka、ちゃんみな、Licaxxx は、それぞれが別の車両でライブを繰り広げ、各アーティストの車両の間には1車両静かな車両が挟まれて音が混ざらないように工夫されていた。

Omodaka は、数々のゲーム・CM・有名アーティストのリミックス等の楽曲を手がけて来たプロデューサー/ミュージシャンである寺田創一が、2009年からスタートさせたプロジェクト。巫女装束に白いお面という奇妙な出で立ちで、多数のゲーム機や KAOSS PAD 等を用いてゲームサウンドのライブを繰り広げるというユニークなもの。


両サイドに置かれたモニターの中に現れた、草津音頭を歌う女性にマイクを向けるような仕草をしつつ、踊りながら演奏する Omodaka の姿が印象的だった。



Licaxxx の DJ プレイは、午後の明るい車両内を一気に夜の東京の雰囲気に染めた。洗練されたクラブミュージックとフレンドリーな笑顔を浮かべる LICAXX に魅了された人は多かったに違いない。


Licaxxx が作り出す心地良く響く低音に踊る人たちを、時折停車する駅のホームに並んだ人々が不思議そうに眺めていた。



ショッキングピンクのレオタードと網タイツという挑発的なファッションに身を包んだちゃんみなは、これまたドラァグクイーンのようなファッションに身を包んだ派手なダンサーたちを引き連れてのインパクトのあるパフォーマンスを行い、カメラを掲げる人が後を絶たなかった。


歌声の合間に観客に語りかける MC も絶好調で、ユーモラスな彼女の人柄を垣間見えた。


【62 MINUTES YAMANOTE LOOP】の会場は山手線の車両であるため、来場者が座ることができるシートはもちろんたっぷりと用意されており、車両の揺れもものともせずに踊る人、音楽を楽しみながら車内に用意されたレッドブルを飲みつつ車窓からの景色を楽しむ人など、それぞれが思い思いに62分間の山手線一周の旅を楽しんでいた。


アルコールなしの日中のイベントであったため、中には小学生ぐらいの男の子の姿もあり、普段とは一風変わった山手線を満喫しているようだった。車内に流れるテレビから流れて来るのとはまた違った音楽は、おそらく彼にとってとても印象的だったのではないだろうか。

幅広い層の人に音楽の持つ様々な側面を見せ、楽しませてくれる RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2018。今後、9月〜10月にかけ他にも様々な催しが企画されているので、音楽の秋、芸術の秋に、興味のある方は是非参加してみて欲しい。


Written by きのや

62 Minutes Yamanote Loop

日時:2018年9月22日(土)
会場:山手線(大崎)
出演:Licaxxx、ちゃんみな、Omodaka a.k.a. 寺田創一

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