様々なアーティストが活躍する中、一際異彩を放っている存在が「ラブリーサマーちゃん(愛称・ラブサマちゃん)」である。アーティスト名からして、一筋縄ではいかなさそうな雰囲気が漂う彼女は「若くて多才で素直、可愛くて優しいピチピチロックギャル」というキャッチコピーで活動する、要注目のシンガーソングライターだ。

日本を代表するプロデューサー/DJ/トラックメイカーの一人である tofubeats から影響を受け宅録の世界へと足を踏み入れた彼女は、多感な年頃ならではの感性と持って生まれたセンス、そして音楽を中心としたカルチャーに対する貪欲なまでの知識欲により様々な情報を吸収・昇華し、瑞々しい作品を生み出し続けてきた。

Photo:村上 誠太

iFLYER では、そんな彼女の音楽観、人生観に迫るインタビューを敢行! 更に今回は、音作りにこだわりを持つラブサマちゃんが「自宅の音響環境についてGENELEC さんに相談したい」とのことで、ラブサマちゃん × GENELEC スタッフによるラブサマちゃんの自宅改造計画が勃発。音源の再現性にこだわりを持つ GENELEC が、ラブサマちゃんの「スピーカーに対するお悩み」に真剣に答える!
 

iFLYER:2019年の活動を振り返ってみて、今年はどんな年でしたか? 何が印象的でしたか?

ラブサマちゃん:去年は色々あって、ラブリーサマーちゃんとしての活動が停滞していた時期だったんですが、バンドでのライブなども再始動して、それがだいぶブイブイいったというか。今年はワンマンを二回、リリースも二回したし、自分の作る曲もどんどん変わってきて、音楽生活的に結構面白い年になりました!

Photo:村上 誠太

iFLYER:今年見て良かったライブは何ですか? また、音楽シーンの傾向や流れなど、感じられたことがあれば教えてください。
サマーソニックに来ていた THE 1975(ザ・ナインティーン・セブンティー・ファイブ)は、曲が良いことは元々分かっていたんですが、ライブの演出も凄かったですね。長方形の縦長の、THE 1975 のバンドのロゴをモチーフとした縦5mぐらいもあるとても大きな光るオブジェがステージのど真ん中にあって、VJ も凄くて。それもともかく、ボーカルのマシュー・ヒーリーのパフォーマンスも凄いんです。ライブ中に一升瓶で日本酒飲んだりするんですけど、めっちゃ酔っ払うじゃないですか。で、そのまま歌うとか。人間性が非常に出るライブで、まるで彼の生き様を見てるような気持ちになりました。演奏も良かったし、感動しましたね。
 

iFLYER:最近刺激を受けたアーティストがいたら教えてください。
リナ・サワヤマさんという女性がいるのですが、その方が最近気になっています。
日本生まれで、5歳ぐらいのときにイギリスに引っ越して、最新作を The 1975 が主宰する Dirty Hit というレーベルから出したりと、イギリスで精力的に活動されています。ジャンル的にはポップスなんですが、ライブの時の立ち居振る舞いや彼女のスタンスを見ているとロックでだいぶかっこいい感じです。

彼女はどっかのインタビューで「イギリスの中ではイギリス人として振る舞わないといけない、そうじゃないとなめられちゃうんです」みたいなことを仰ってたんですが、イギリスで日本人が活動するのって、差別されたりとかもあるだろうし、大変だと思うんですよ。でも、サワヤマさんは、そういった中で変にナショナリティに縛られずに活動しているように見えて、その堂々とした様もかっこいいんですね。それがイギリスでも認められているのを見ると「素敵……!」って思っちゃいますね。
 

リナ・サワヤマさんの楽曲には80年代っぽいニュアンスがあるなと思っているのですが、最近めっちゃ80年代っぽい音楽流行ってませんか。さっき言った The 1975 もそうですけど、ベイパーウェーブやシティポップとかも流行ってるし、あれって80年代趣味をリバイバルさせてるわけじゃないですか。でも、私がめちゃめちゃ好きな音楽は80年代よりも90年代なんです。音楽や服の流行って、大体30年単位で巡っていくらしくて、あと数年経ったら90年代のものがまたリバイバルするかもしれないので、早くリバイバルして欲しいなと思ってますね。あれ? 話ずれましたかね。

あとは、最近刺激を受けたアーティストと言えば、やっぱビリー・アイリッシュじゃないですか。早く GENELEC のスピーカーで聴きたいです。絶対良いも〜ん!

iFLYER:ラブサマちゃんのお祖父様は「手のひらを太陽に」等で有名な作曲家のいずみたくさんですが、2019年の今、現役の “ピチピチロックギャル” であるラブサマちゃんから見て、お祖父様の楽曲についてどう感じられますか? 
うちのおじいちゃんって、作曲家じゃないですか。。音楽には、メロディ・編曲・歌詞など様々な要素がありますが、作曲家はメロディに特化した職業ですよね。メロディーに全力投球して、そこで勝負しているのが凄く伝わってきますよね。うちのおじいちゃんの曲は教科書にも載ってるし「ババンババンバンバン」(ザ・ドリフターズ/いい湯だな - ビバノン・ロック)とか、皆さん絶対知ってるじゃないですか。うちのおじいちゃんの曲を一曲も知らない日本人の方が少ない。それぐらいパンチのある、全員が覚えられるメロディーを書けるって凄いことですよね。メロディーメーカーとしてとっても尊敬してます、一度も会ったことないんですけど(笑)。
 

iFLYER:tofubeats さんに影響を受けて宅録制作をするようになったとのことですが、tofu さんの音楽に出会ったきっかけは?
高校生のとき「神聖かまってちゃん」っていうバンドがとても好きだったんですけど、そのバンドのツアーに行ったら、tofebeats さんが対バンで出てらして。DJ機材やラップトップから音を出す電子音楽のライブはそのとき初めて見たんですが、なんてカッコいい音楽なんだ! 一人でこんなにできるのカッコ良い! と衝撃を受けたんです。その時にマルチネレコードというネットレーベルの存在を知って、そこら辺を掘っていったら tofu さんのことも周りのアーティストのことも好きになっていた、という感じですね。

Photo:村上 誠太

iFLYER:tofubeats さんは生音の楽器を使いませんが、楽器を弾いてライブをするラブサマちゃんから見て、そこに関して何か思うことってありますか?
でも tofubeats さん、最近はライブで電子クラリネットみたいなやつを吹いてましたよね? 逆に、私は高校生の頃からバンドをやっていて「ギターを弾くぞ! エフェクター踏むぞ!」っていうやり方以外知らなかったので、tofu さんがインタビューで「僕は楽器を一つも弾けません」みたいなことを言ってらしてるのを見て、みたいなことを言ってらしてるのを見て、自分の想像している音楽制作の枠から飛び出ていたのが刺激的だったのかもしれないですね。
 

iFLYER:tofubeats さんは多数のクラブイベントにも出演されていますよね。ラブリーサマーちゃんも DJ されると聞きましたが、ジャンルは何系なのでしょうか?
結構、呼ばれるイベントによってジャンルを変えていてそんなに定まっていないんですが、チルウェーブとかが好きですね。遅くてリバーブがフワ〜っと掛かっていて、聴いていて気持ち良い曲を掛けることが多いです。

iFLYER:「ライブ」と「DJ」はどちらも音楽で人々を楽しませるパフォーマンスですが、やる際の意気込みの差などはありますか?
意義が違いますよね。私はライブの際に自分が作った曲しか演奏しないんですが、そうなると自分で書いた歌詞やメロディだけになるので、もうそれって自分の生き様100%になるじゃないですか。その生き様をライブの時間中に全部詰めて見せるとなると、シリアスになるシチュエーションとかもあるし「楽しいだけじゃ終われない」という気持ちになったりします。
でも、私の考える DJ の主旨は、自分が好きな曲を流して曲をシェアしたり皆を楽しくさせるというものなので、楽しいですね。おそらく、私は DJ やるときの方が肩肘張ってない感じで、そんなに緊張してないと思います。

Photo:村上 誠太

iFLYER:ライブやるときと、DJ やるときとで、お客さんの反応やフロアの雰囲気などに違いは感じますか?
違うと思いますね。DJ ってお客さんの反応を見て、次掛ける曲を変えられるじゃないですか。ライブって、事前に曲の繋ぎの入り方などをバンドメンバーと相談しているし、やるって決めた曲以外そんなに練習していないから急に違う曲はできませんが、DJ だと「今日の人たちはこういうのが好きなんだ」って分かったら変えていける。それがうまくバッチリはまったときは、お客さんが「フッフ〜ゥ!」みたいに盛り上がるじゃないですか。そんな風にフロアの反応をコントロールできる部分がある点でも、DJ と自分のライブの違いを感じます。

iFLYER:2016年にメジャーデビューして「音楽業界」に対して感じたこと、これまでの活動を通して、メジャーデビュー前後で考え方の変化などがあれば教えてください。

音楽業界は、みんな儲かってないな……と思いますね! 思ったより全然お金が動いてなくて、大変だな、と思います。でも皆、音楽業界に必死でしがみ付いているから、それだけ音楽の魅力は強くて、惹きつける力があるんでしょうね。
音楽業界に対する印象は、インディーズでやってたときも、メジャーデビューした後も、あんまり変わってないかもしれないですね。私は、どインディーズバンドの中では多分ちょっとメジャー寄りな考え方だったし、かと言って「ゴリゴリ売れて行くぞ!」みたいなメジャーデビューしてるバンドの中ではめちゃくちゃインディーズっぽい考え方なので、ずっとあんまり変わらないんだと思います。
 

iFLYER:「『かわいいかもしれない』という希望を持って欲しいので顔を隠す」とのことですが、理由を詳しく教えていただけますか?
ラブリーサマーちゃんっていう名前で音楽活動するようになったのが、17〜18歳の頃だったんですが、容姿についてのコンプレックスが今よりも酷過ぎて、「自分には全く美しさの要素がないから、容姿を出したらマイナスにしかならない」と思っていたんですよ。「声とかがせっかく可愛いのに、それをぶち壊すようなことをしたらリスナーが減るんじゃないか」とか。ワーワー言われて傷つくのも嫌だし。で、出さないことにしたんです。

Photo:村上 誠太

顔って重要ですけど、邪魔でもありますよね。もし椎名林檎さんが顔出ししてなかったら、あんなにアイコニックな存在になってなかったと思うんです。顔って、その人がその人であることをビジュアルとして一番認識しやすいものじゃないですか。「オアシスといえばあのふてぶてしい表情だよね」みたいな、そういうキャラクター付けとなったり、凄くアイコニックなものだと思うので、ポップスターはその存在を世の中にバーンと知らしめるために、絶対に顔が出ている MV を出さなきゃいけないと思うんです! その人の顔が描いてあるシールとか、ファンは絶対買うじゃないですか。そういうことだと思うんですよね。

なので、私も売れたかったら絶対顔を出すべきだとは思うんですが、でもそれ程アプローチ力が強いものだからこそ、音楽に対してもめちゃめちゃ影響しちゃうと思うんですよ。

Photo:村上 誠太

例えば私が一度見たら忘れられないような非常に特徴的な顔をしていて、それで恋の歌とかを歌ってたら、平均的な顔の人が歌う恋の歌と比較して、曲の聴こえ方が全然違ってくると思うんです。聴く人が感情移入し辛くなるかもしれない。音楽をピュアに聴いてもらいたいと思ったとき、リスナーからの顔についての評価って邪魔だなと思い、顔出ししないことにしました。

売れたくなったら出すかもしれないですが、でも売れてる人って大変じゃないですか。スーパーへ行っても「誰々さんですよね」って話しかけられたりするのは辛くないですか? 今は良いですけど、50年後とかも「ナントカさんいるわ〜」とか思われたら嫌ですし。「ナントカさん、やばい服着てんな!」とか、勝手に人から思われているんですよ。絶対やだ! そんな感じで消費されたくない!……とか思っちゃって、顔出ししてないです。ハハハハ!

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「自宅とスタジオでは音質が違い過ぎる」DTMにおけるスピーカーのリスニングポイントとは? ラブサマちゃんのお悩みを GENELEC が解決!​​

現在、ラブサマちゃんはファン待望のサードアルバムを制作中。そのリリースに先駆け、2〜3月頃には新曲を発表する予定とのこと。新たなレーベルもほぼ決まり、順調そうに思えるが、実は楽曲制作について悩んでいるらしい。
「自宅で作ったデモをレコーディングスタジオで聴くと(音の)落差が凄くて……自宅ではインシュレーター(防振材)も使ってるのに……。なので、この機会に GENELEC さんに相談したいんですよ!」と重たい iMac 本体を自宅から持ち込んでの真剣相談が始まった。

その貴重な模様を動画で公開。トラックメイカーのみならず、すべてのスピーカーユーザーに役立つ情報となっている。
ぜひ、ラブサマちゃんのパーソナリティーとともに知っていただきたい。音楽ファンなら要チェックだ。

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iFLYERではラブリーサマーちゃんからのサイン入りCDをゲット!こちらを3名様にプレゼント致します。


ご応募方法は以下の通り。

■Twitter で応募
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応募締め切りは1月31日 深夜12時。
皆様のご応募、お待ちしております!
 

ラブリーサマーちゃん


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■ライブ情報
HACIENDA
日時:2020年1月31日(金)DOOR 18:00、START 18:30
場所:UNIT 東京都渋谷区恵比寿西1-34-17 Za House B2F
出演:ラブリーサマーちゃん, ZOMBIE-CHANG, Fuzzy73
料金:ADV ¥3,500/1D
ラブリーサマーちゃんプロデュースイベント!80年代、イギリスにあった伝説のクラブ「Hacienda」(ハシエンダ)。そのマッドチェスタームーブメントのエッセンスを引き継ぐ3組が出演!

武蔵野音楽祭
日時:2020年1月18日(土)
場所:吉祥寺SHUFFLE
出演:miida/ラブリーサマーちゃん/初恋モーテル/DJ がっち
料金:adv.¥3,000 door¥3,500(1D別)
OPEN 18:30 START 19:00

sora tob sakana presents「天体の音楽会Vol.3」
日時:2020年2月8日(土)​OPEN12:00/START13:00
場所:東京都 TSUTAYA O-EAST / TSUTAYA O-WEST / 渋谷duo MUSIC EXCHANGE
出演:sora tob sakana / sora tob sakana band set / KIHOW from MYTH & ROID / MONO NO AWARE / NENGU / siraph / ラブリーサマーちゃん / and more
料金:前売券 オールスタンディング ¥6,300(税込)/   当日券 オールスタンディング ¥6,800(税込)
公式HP


GENELEC

1978年にフィンランドで創立されたプロ用スピーカー・メーカーである「GENELEC」。
世界で初めてアンプを内蔵したアクティブ・スピーカーを開発し、その革新的な技術とサウンドによりプロの音楽制作現場では世界標準となっている。
近年では一般ユーザー向け G シリーズや店舗向け製品も販売されているが、そのクオリティに変わりはない。
インダストリアル・デザイナーの Harri Koskinnen 氏が手がけた北欧デザイン、信頼の Made in Finland、再生アルミニウムやリサイクル可能な部品の採用など、正に北欧を代表するスピーカー・ブランドだ。
そんなレコーディング・スタジオのサウンドを自宅や店舗で体感してみてはいかがだろうか。

Genelec Gシリーズ
https://www.genelec.jp/home-speakers/​