新型コロナウイルスの影響でクラブやバーが軒並み営業中止し、活動現場を失ってしまった DJ も多いことだろう。
この状況でずっと落ち込んでいるわけにもいかないので「この機会に DJ スキルアップしよう」と意気込んでいる方はスクラッチを極めてみてはいかがだろうか。

感染拡大防止に努めるためには不要不急の外出を抑えて自宅で過ごすべきなのだが、もし時間を持て余しているなら習得に時間がかかるスクラッチを学ぶのはちょうど良いかもしれない。

ヒップホップ系の DJ には多く見られるスクラッチという技だが、ヒップホップじゃないとできないという訳では無い。EDM やハウス、ベースミュージックでもスクラッチはできる。下の動画は Porter Robinson(ポーター・ロビンソン)の「Shlter」をスクラッチでフリップしたもの。
 
 

スクラッチにオススメのアイテム


スクラッチに必要なアイテムは原則として、いま手元にある DJ 機材で良い。もし「本気を出して練習してやるぜ! オラオラ!」と意気込んでいる方はアナログターンテーブルやスクラッチ用のレコードを集めて、本格的なスタイルでスクラッチを習得しよう。

アナログターンテーブルのスクラッチに必要な機材は以下の通り。

アナログターンテーブルでスクラッチする場合
1. アナログターンテーブル
2. DJ ミキサー
3. レコード針
4. バトルブレイクス
5. スリップマット/スリップシート

1. アナログターンテーブルはアナログレコードを再生するためのプレイヤー。スクラッチをしたい場合はトルク式と呼ばれるタイプの機材がマスト。

スクラッチ用のターンテーブルには下の3つがオススメだ。

Technics SL-1200MK7
Pioneer DJ PLX-500
Reloop/RP-7000

2. DJ ミキサーはクロスフェーダーがあれば基本的に使いやすいもので良い。
しかし、練習するにあたって何百万回もフェーダーをクリックすることになるので、最初のうちは壊れる前提であまり高く無いものを買おう。

Pioneer DJ DJM-250MK2
Pioneer DJ DJM-S3


3. のレコード針については自分の使いやすいものをオススメする。レコード針の基礎知識については OTAIRECORD の【初心者DJ道場 レコード針を選ぼう】をチェックして欲しい。


4. のバトルブレイクスは、スクラッチに便利な音ネタがたくさん収録されたレコード。「バトブレ」と呼ばれる。PCDJ でプレイする人は「コントロールヴァイナルでも良いのでは?」と思いがちだが、PCDJ は同じ部分をこすり続けると少しずつズレが生じるので、ストレスがたまりやすいのでバトブレで練習するのがオススメ。

定番中の定番として有名なバトブレはスクラッチ界の生けるレジェンド、Q-BERT が監修するSUPER SEAL BREAKS


5. のスリップマットはレコードの下に敷いて、擦る時に滑りをよくする布のマット。そしてスリップシートは、スリップシートの下に敷く、ビニールのシート。こちらは Dr. Suzuki/Skratch が定番のセットだ。


 

コントローラーでもスクラッチできる?


自宅に DJ 用の MIDI コントローラーがあれば、コントローラーでスクラッチの練習をするのも良いだろう。

PC DJ コントローラーの中で最もお手頃とされている Pioneer DJのDDJ-400 でも遜色なくスクラッチができる。

ジョグのサイズがアナログレーコードと比べて小さいのでアナログレーコードの方が習得までの効率は良いが、予算をかけずにスクラッチを始めてみたい方はとりあえずコントローラーから始めてみよう。

Pioneer DJ の DDJ-400 でスクラッチしたい方はこの動画から、カットラグやバッファサイズなどスクラッチする上で必要な設定を変更しよう。
 


いかがだろうか。まずは手持ちの機材がスクラッチに向いている環境か、確認してみよう。
次回はスクラッチをする上で見ておくべき教則動画を紹介する。