以前より、新型コロナウイルスの影響により音楽業界やフェスティバル事業従事者が甚大な影響を被っているとお伝えしてきているが、2021年に開催予定だった EDC LAS VEGAS も例外ではなかったようだ。

Insomniac 社が主催する EDC といえば、様々なアートワークと豪華出演陣で知られるフェスだが、主催会社やアーティスト以外にも、照明技術者、警備員、エントランススタッフ等、様々なフェスティバル事業従事者の労働により成り立っている。

Rolling Stone によると、Live Nation に次ぐライブミュージック、エンターテインメントイベントの主催企業である AEG Presents は、2020年に北米では10,000回、2021年には5,000回のショーがキャンセルされており、20億〜30億ドルの損失が見込まれており、アメリカの何千人ものプロモーター、音楽業界に従事する様々な職種の人々を失業させたと発表している。

更に、ラスベガスのテレビ局・FOX5 Las Vegas によると、ラスベガスのエンターテインメント業界の背後にある労働組合・IATSE Local 720 の160名以上のメンバーが、EDC Las Vegas 2021で働く予定だったとのことだ。

「(EDC Las Vegas は)我々が多くの人々を迎える最初のビッグなショーとなることだろう」と語っていた IATSE Local 720 会長の Phil Jaynes は、EDC の延期について以下のように語っている。

我々はそこに160人以上の人々(労働者)を迎えるつもりだった……それは残念だ。明らかに、我々はこの時点で悪いニュースに慣れている。

延期の決定は予想されていたものの、IATSE Local 720 のメンバーは、絶え間ない延期によって1年間が過ぎた後、更に5月に EDC が開催されなかったことに、依然として失望している。

EDC を主催する企業である Insomniac 社 の CEO、Pasquale Rotella は、当初、EDC Las Vegas の開催を5月に前倒しすることを発表していたが、最終的にネバダ州当局の再開計画と予防接種パイプラインに合わせることができないため、2021年のイベントは5月には開催不可能であると述べ、EDC を10月に延期するという厳しい決断を下している。