先週、ウクライナ人テクノ DJ の Nastia(ナスティア)「親ロシアの DJ と共に出演したくない」として出演キャンセルを表明したフェス「Awakenings Festival(アウェイキングス・フェスティバル)」が、それに対するフェスティバルサイドの意見を表明した。
 
Nastia は以前より、ロシア人 DJ の Nina Kraviz(ニーナ・クラヴィッツ)がウクライナ支持を明確にせず、SNS でも沈黙を守り続けていることや、以前にプーチン大統領を模したパネルと共に写った写真を SNS にアップしていたこと等を指摘し「親ロシア」であるとして強く批判していた。
 
Nastia 出演キャンセルの発表に対し、Awakenings festival は以下のような発表を We Rave You 宛に送ったとのことだ。

残念ながら、Nastia は Awakenings Summer festival でのセットをキャンセルすることになりました。私たちはこれを公開していますが、彼女の決定を尊重します。
Nastia は、特定のロシア人アーティストをラインナップから削除しなかったため、我々のフェスティバルにはもう出演したくないと述べています。その決定について説明したいと思います。

まず第一に、Vladimir Dubyshkin(ウラジミール・ダヴシュキン/ロシアのタンボフを拠点とする、NINA KRAVIZ 主宰の ТРИП のアーティスト)は、戦争に反対する明確な発言をしており、私たちはその証拠を持っています。
第二に、Nina はロシアのウクライン戦争について明確に反対していませんが、私たちは Nina と個人的に何度か話し合い、わたしたちに対して彼女の立場を明確にしています。これらの秘密の会話に基づいて、私たちは彼女をラインナップから削除しないことを決定しました。そしてこの時点まで、私たちはこの決定の背後にいます。

私たち Awakenings は、今年初めにロシアがウクライナに侵攻した直後に戦争に反対し、以前のエリア Z の名前をエリア U に変更し、その後ウクライナ戦争の犠牲者を支援するために Giro 555(オランダ・ハーグを拠点とするウクライナへの協力援助組織財団)に、我々の Awakenings Easter のイベントからの多額の寄付をしました。この問題に対する我々の立場は変わりません。Awakenings Summer festival の後、再び Giro 555 に寄付します。
これは、Nastia の決定に関係なくです。私たちはウクライナを支持しています。

この  Awakenings の声明では、ウクライナ戦争における Awakenings の立場と、フェスティバルのラインナップを構成するアーティストに対しての Awakenings の理解度を明かしており、また Awakenings が Vladimir Dubyshkin が戦争を反対しているという "証拠" を公表できないという背景には、彼と彼の顔家族の安全のためにうそうせざるを得ないという現状があるとのことだ。それはつまり、Nina Kraviz の SNS 上での沈黙もまた、同様の理由に基づいたものであると言えるだろう。