30年以上に渡り世界から愛され続ける、レイヴカルチャーを取り入れロックとテクノを融合させた伝説的バンド The Prodigy(プロディジー)による、1997年リリースの大ヒットアルバム『The Fat Of The Land』収録の人気曲「Smack My Bitch Up」は、その楽曲タイトル&歌詞が、リリース以来 "女性蔑視" として物議を醸してきた曰く付きの曲でもある。
「Smack My Bitch Up」とは、直訳すると "クソ女をブチのめす" 的な意味となり、この曲名と歌詞が家庭内暴力を容認しているとして批判を受け続けており、MTV では日没後のみの放映&免責事項の表示が必須とされる最初のミュージック・ビデオとなってしまった。

▼オリジナルのミュージック・ビデオ。露骨に性的な表現&暴力描写があるため閲覧注意
しかしその曲名と歌詞に関する問題が、リリースから26年、四半世紀を超えた時を経て動きを見せることとなった。
今年11月24日に開催されたライブパフォーマンスにて、The Prodigy のボーカルを務める Maxim(マキシム)は「Smack My Bitch Up」の歌詞部分を「Smack My Pitch Up(ピッチを上げて切り替えろ)」と差し替えて歌っていたとのことだ。
現在、世界はさらなる包摂性と寛容さを目指す時代となっており、オリジナルの曲名、歌詞がそれにそぐわないとバンド自身によって判断されたのではないかと見られている。

▼歌詞を差し替えてのライブショー動画

なお、過去のインタビューにて The Prodigy は、この歌詞について "B-Boy カルチャーへのオマージュ" であると述べており「僕らのショーに来る女の子たちはハードコアな女の子であり、彼らはそれ(曲名&歌詞)をそのように(女性蔑視なものとして)は見ていない」と発言している。その後、The Prodigy はこの件について特にコメントしてきていなかった。

The Prodigy は12月の二週目までヨーロッパ全土にて公演を開催している。