作曲家、プロデューサー、そして教授としての顔も持つ現代音楽家であり、2000年代以降の米オルタナ・シーンにおける革命的存在、バトルスの設立メンバーとしても知られる TYONDAI BRAXTON(タイヨンダイ・ブラクストン)が、ポスト・クラシカルの重要レーベル〈Erased Tapes〉と契約し、ニュー・アルバム『Splayed Werks』を発表した。現在「Piiano」「UnFS」の2曲が公開されている。

 

音楽をリリースすることに対する考え方も、“アーティストであること”の意味も、ずいぶん変わってしまった。アーティストの仕事で重要なのは、自分が何をしているのか、何に興奮しているのか、何に向き合っているのか、何に反発しているのか――そういうものを、自分の人生を記録する形として残していくことなんだ。今、みんなが戦争やメディア過多の時代の中で、世界を見つめながら無力感と向き合っている。そんな中でアーティストの役割って何なんだろう? その瞬間の創造的なアイデアをアーカイブすることこそ、今の時代にアーティストができる最も重要なことのひとつだと思う。以前は「この曲は自分にとってすごく大事なんだ」とか「このコードがどう生まれたか聴いてほしい」みたいなことを重要だと思っていた。でも実際には、そういうことの重要性はずっと小さいのかもしれない。
- Tyondai Braxton

『Splayed Werks』は、2022年に発表されたシンフォニック作品『Telekinesis』以来となるフルレングス作品。70分を超える本作の大半は、自身のホーム・スタジオで制作・録音されたという。2009年発表のソロ作『Central Market』に見られた壮大なサウンド・デザイン、モジュラー・シンセを駆使した『Hive1』の実験精神、そして何よりもバトルス時代から一貫して存在する、ミニマルでありながら肉体性を帯びた反復グルーヴが、本作ではかつてない純度で結晶化された傑作となっている。

また無数の荒々しいリズムが、クラブ・ミュージックの巨大なフロアの外側へと逸脱していくかのようなサウンドからは、エイフェックス・ツインやオウテカのようなIDMの異端児たちから、ミカ・レヴィやローレル・ヘイローといった現代の没入型サウンド・アーティストまで、多層的な影響が感じられる。

クラブ・サウンドシステムにも対応しながら、アート・インスタレーションのような空間性と、現代音楽作家としての知性を同時に備え、それでいて直感的かつフィジカル。数学的に構築された反復と、人間的な揺らぎが共存するそのサウンドは、まさに実験音楽/電子音楽シーンにおいてタイヨンダイが築いてきた独自領域そのものだ。

先日ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーのNY公演にスペシャル・ゲストとして招かれ、パフォーマンスを披露したことも話題となったが、『Splayed Werks』のリリースに合わせ、タイヨンダイ・ブラクストンは世界各地でソロ公演を行うことも発表されている。

タイヨンダイ・ブラクストンの最新アルバム『Splayed Werks』は、8月21日 (金) にCD、LP、デジタル配信で世界同時リリース。国内盤CDには解説書を封入。LPは通常盤2枚組LP (ブラック・ヴァイナル) と、数量限定で日本語帯付き仕様の限定盤2枚組LP (ブラック・ヴァイナル)でも発売される。



label:BEAT RECORDS / Erased Tapes
artist:Tyondai Braxton
title:Splayed Werks
release date:2026.08.21
商品ページ: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15824

トラックリスト
01. Bell Smear  
02. Multiplay  
03. Dia  
04. Vali  
05. UnFS 
06. Salt Point  
07. Oslo  
08. Realistic Water 
09. Multiplay II  
10. Phonolydian  
11. Piiano  
12. 4 Zones  
13. Nimble FX  
14. Clouds of  15. K Space


LP / CD