近年、最もセンセーショナルな「復活」を果たしたのがこのディアンジェロだろう。約15年ぶりのオリジナル・アルバム『ブラック・メサイア』を年の瀬も迫った2014年12月に突如配信リリース、各国クリティックの選ぶ年間ベスト・アルバムが殆ど出揃った後に飛び込んできたこの傑作アルバムに、英米シーンはひっくり返る騒ぎとなった。
弱冠21歳でリリースしたデビュー・アルバム『ブラウン・シュガー』で(1995)でネオ・ソウルの旗手と称され、プリンスのDNAを引き継ぐソウル〜ファンクのカリスマとなったディアンジェロだが、その寡作ぶりも際立っていて、前作『ブードゥー』(2000)、そして『ブラック・メサイア』と、未だ3枚しか彼のアルバムは存在しない。しかしこの僅か3作でディアンジェロがR&Bシーンに与えたインパクトはあまりにも破格なものだ。ソウル・ミュージックとヒップホップを繋げ、さらにはソウル・ミュージックとヒップホップとポップ・ミュージックを繋げていったディアンジェロのマナーは、彼が不在だったこの15年間で大半のポップ・ミュージックの定石になったのだから。 ちなみにディアンジェロと同世代のアーティストであり、彼と共振し、時に影響を受け、新作にも真っ先に賛辞を贈ったのが、他でもないファレル・ウィリアムスだ。そんなファレルも出演したサマーソニック2015で来日。サマソニ東京と大阪のステージ、そしてエクストラ単独公演のZEPP TOKYOで熱いソウルを音楽ファンに届けて熱狂させた。...
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