TYO(東京)を更新するガールズ・ユニティーのホップ
世界中で最もリアルを突き付ける街の顔を見せたかと思えば、
『ブレードランナー』や『ロスト・イン・トランスレーション』で描かれた仮想との境い目を浮遊するような色彩を放ち、大人にもならず、でも、子供ではない、未だ底を見せないストリート・カルチャーが更新され続けている街、それが『TYO(東京)』だ。
ダンス・ミュージック・シーンにバブルを生んだ『EDM』という言葉は、
その泡ゆえ既にマイルドになり、新たな胎動はアングラから、特に渋谷あたり夜明けのクラバーの胸中に胎動を鳴らし始めている。
新しい音を求めて、細分化・再深化しようと躍起のTYOシーンの中で、
軽やかに街を彩る一翼がFAKY・FEMM・Yup’in の『7人の女』からなる一派だ。
いずれも同時期に近い場所でリリースをしてきた。
Sak Noel本人からのオファーを受け、『No Boyfriend No Problem(カレシいなくても問題ない!)』のオフィシャルの日本語版にFAKYとFEMMが登場し、高らかにそのメッセージをクラブで吠えてみたり、VimeoのSTAFF PIC常連の『BRDG』主催のオーディオ・ビジュアル・イベントでのFEMM/Lil’ Fang/Yup’inのコラボレーションなど、ライバルとして、敬遠ではなく競演することで、2015年からユニティーとしての存在感をグッと押し上げてきた。
MAJOR LAZERの躍進でムーヴメントになっている『TWERK』をいち早く日本で紹介した『TWERK ‘EM ALL』、元FACTのドラマーがDiploのリミックスなどを手がけるDjらと新たに組んだ『Radical Hardcore Clique(以下:RHC)』、前出の『BRDG』など、個々での活動も含め、リアルシーンの猛者たちからの支持を獲得したのも大きい。
リアルを追求するFAKY、バーチャルを体現するFEMM、ストリートを代弁するYup’in。
冒頭のTYOを全て内包しながら、続けてきた競演という真剣な遊びの中で、
刺激し合い、擦れ合って、膨らみ続けた熱に、この春、遂に名前が付いた。
それぞれのアーティスト・ネームから2文字をとって『FAMM’IN(フェイミン)』。
意味はない。あるとすれば、この3組のユニティーだということ。
今後は、個々での活動・純度/速度を落とすことなく、この名義での活動も継続する。
音源やファッションでのコラボレーションはもちろん、3組がレジデントを務める『FAMM’IN』その名を冠した定期イベントも開催していく。
まずは、そのHOP(第1弾)。
『RHC』をプロデューサーに迎えて制作された初のFAMM’IN名義曲『circle』に始まり、それぞれの単体名義の書き下ろし楽曲も、完全にクラブ・ユース...
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