23日、日本を代表するテクノアーティスト/DJ Ken Ishiiがベルギーで開催されている世界最高峰のビッグフェスティバル「Tomorrowland」に出演。待ち構えていたオーディエンスを、夕立の中最後まで魅了し、踊らせ続けた。


ベルギーで開催される「Tomorrowland」は2005年から13年間続く世界屈指のフェスティバル。毎回発行されるチケットは、18万枚が瞬く間にソールドアウトになってしまうという、入手困難で知られるこのフェスティバルは、世界中のダンス・ミュージックファンが誰しもが一度は憧れる、まさに夢の国。

今年は7月21日より2週に渡り6日間に渡って開催され、各々のステージが世界の名だたるビッグパーティの冠を持ち、Tomorrowlandのレジデント、世界最強の兄弟ユニットDimitri Vegas & Like Mikeを筆頭に、David Guetta、Martin Garrix、Tiëstoといった世界的ビッグネーム400名以上が出演者として名を連ねた。観客数は、今年はなんと40万人以上! トータル動員数としては、アメリカの最大級音楽フェス「Coachella」を抜いて全世界すべての音楽フェスティバルのトップに躍り出た。


■Ken Ishiiコメント
とにかくおとぎの国に来たような気分になれる素晴らしいフェスティバルだった。
凝りに凝りまくったステージセットだけでなく、会場内のお客さんの動線上にあるすべてのものがこのイベントだけのために作られ設置されていて、その細部にまで渡る世界観に感銘を受けた。
他の出演者の時と同様に自分のセット中にも物凄い夕立が来て一瞬焦ったがすぐに晴れてお客も戻り、あれだけの規模の観客がずっと盛り上がり続けてくれたことでこっちも終始ハイ状態。
プレイ後にバックステージで飲んだベルギービール(特別オーダー)が最高にウマかった!

日本代表として、世界最高峰のステージで貫禄のプレイを見せつけたKen Ishii。同行したマネージャーの藤井克仁氏による現地レポートが届いた。


■レポート
400名を超えるトップアーティスト達が40万人を熱狂させるこのフェスティバルは、出演者ラインナップもさることながら、会場全体の装飾が素晴らしく、来場者全員がそのスケールの大きさと、細部に至るこだわりの演出に圧倒され感動させられる。このとてつもない造作を、たった6日間のためにしているのかと思うと、演出にかけるこだわりに度肝を抜かれ、この空間に身を置くことで自然と笑顔がこぼれる。


全体が様々なエンターテナーが一堂に会するイメージで構成されており、16あるステージは同じテーマのもとにありながら多様。絢爛豪華なサーカステントのような巨大メインステージに始まり、湖の中から顔を出した巨大なドラゴンが、音に合わせながらその頭を右左にゆっくりと振り、盛り上がりのピークには大きく口を開けて煙を吐くといったインパクトあるもの、また、Ken IshiiのPLAYしたステージ「THE ARCH」はその名の通り凱旋門を模し、ステージ左右からは噴水と炎が。どのステージもとにかく凝った作りでワクワクする空間を作り上げている。また、こだわりは細部まで突き詰められており、トイレやごみ箱も世界感に合わせた装飾で、掴んだ心を一時も覚めさせない。


7月23日PLAY当日は午前から豪雨が降ったり止んだりを何度も繰り返していた。会場に到着し全体を見て回ったときには、オーディエンスは屋内や屋根のあるところに集中。Ken Ishiiの出演は18:00から19:30の夕方一番気持ちよさそうな時間帯。しかし、出演時間は近づくものの、激しい雨となり、本人も少々心配していた。

スタート5分前、嘘のように晴れ上がり、雨の中Ken Ishiiの出番を待ち続けてくれたオーディエンスはPLAY最初から盛り上がりを呈する。ムービーを撮るべくフロアーに向かうと、会う人会う人「Kenishii最高」「Ken Ishiiは俺にとっての神だ!」と話しかけてくる。中盤から後半に差し掛かったところで’95年にヨーロッパを席巻し、様々な海外メディアに東洋のテクノゴッドと言わしめた曲「Extra」をPLAY。その瞬間、いきなり激しい夕立が。半分以上の人たちが後ろにある白い大きなテントに走ったが、残った人達は豪雨の中、Ken IshiiのPLAYに没頭、激しく踊り続けた。そのオーディエンスに引っ張られるがごとくKenもボルテージ全開のハードな展開をみせると、徐々にオーディエンスが戻り、最後には天気も回復し、フロアー全体感動のフィナーレを迎えた。


このうそのようなドラマティックな展開にしばし呆然とし、徐々に感動に包まれる中、改めて、全世界の注目を集めるこのとんでもなくBIGなフェスティバルでも、不利な天候でも、物おじせず、堂々と、むしろその状況が味方であったかのように思わせる、Ken Ishiiの凄さ、素晴らしさを実感させられた。
(同行者:Ken Ishii マネージャー 藤井克仁)