もはや夏の風物詩となったサマソニこと「SUMMER SONIC」。東京・大阪の二カ所で開催される都市型音楽フェスとして日本では他の追随を許さない人気ぶりで、海外からわざわざサマソニのために日本に来る観光客もいるほど。もちろん出演アーティストもトップクラスで、業界の重鎮クラスのアーティストや、今年間違いなく注目しておくべきアーティストが多数ラインナップし、もはや回りきれないほど。

前夜祭となるソニマニの熱狂もさめやらぬ中、リストバンド交換所の前には朝9時の開場からすでに多くの列が成し、今回のフェスの盛り上がりをすでに予感させていた。幕張メッセの入場口、マリンスタジアムの入場口には毎年違うオブジェが飾られており、サマソニファンはここで記念撮影をすることから始まる。

そして10時にはオープニングアクトのライブが開始。ビーチステージには17歳の現役女子高生シンガーRIRIが登場。

Calvin Harrisの「Slide」とEd Sheeranの「Shape Of You」のマッシュアップやOne Ok Rockの「Wherever You Are」と映画テーマソングとなった「Beauty and the Beast」のマッシュアップなど、彼女のライブを初めて見る人にも楽しめるような選曲で見る者を釘付けにした。もちろん自身の楽曲も1曲1曲を力強く歌い上げ、最後は最新曲「RUSH」でフィニッシュ。ビーチで海風を感じながら、気持ちよく揺れることができた心地よいサマソニのオープニングだった。

サマソニの名物「サマソニ飯」も充実。幕張メッセとマリンスタジアムの両エリアに、2日かけても食べきれないほどに様々な飲食店が軒を連ね、サマソニファンの胃を満たしてくれた。

Kero Kero BonitoはUK発のエレクトリックポップバンド。ボーカルのセーラは13歳まで日本で暮らしていたというキャリアを持ち、日本語詞と英語詞を織り交ぜる独特の歌詞とポップでエレクトリックなサウンドで人気を集めている。「Flamingo」や「Trampoline」など、ケロケロワールド全開の曲を歌うセーラのかわいらしい立ち振る舞いでオーディエンスの心を引きつける一方で、その後ろで演奏しているガスとジェミーがバナナを食べ始めたり、目的もなくステージ前方まで来たりと、少しおふざけアリの親しみのあるパフォーマンスで、笑顔で楽しめるライブとなった。



iFLYERではサマソニで来日中のKero Kero Bonitoにインタビューを敢行!直筆サインのプレゼントもあるので要チェックだ!

Kungsは現在20歳のフランス人プロデューサー。ゆるやかなハウスナンバー、Kungs vs Cookin' on 3 Burners - This Girlを大ヒットさせ、次世代トップDJの1人と呼ばれるまでになった。
Kungsは1996年、フランス生まれの20歳。デビューシングル「This Girl」が各国でチャート1位を獲得し、次世代のトップDJとして注目を集めている彼のステージには多くのダンスミュージックファンが集まっていた。Kungsは自身の楽曲にBass House、Future Houseなどのアップテンポな選曲でジリジリと観客の心を掴んで行く。

終盤にみなさんお待ちかねのヒット曲「This Girl」をプレイし、フロアはKUNGSの生まれ故郷、フランスの町並みを気持ちよく歩いているような、ハッピーな雰囲気に包まれた。そこからジャングルテラーのアンセムソング「On Your Mark」をミックスする、ファンの予想を良い意味で裏切る選曲でラストまで楽しませてくれた。
この日のMARINE STAGEのヘッドライナー、Calvin Harrisは2010年にサマソニに初出演したのだが、当時は現在のSONIC STAGEに相当するDANVE STAGEでの出演だった。7年前のCalvin Harrisと同じステージに立ったKungsは、これからさらに進歩を遂げ、数年後にヘッドライナー級のアーティストとして帰って来るかもしれない。そういった意味でも今回のライブは貴重なものだった。

MARINE STAGEのBlack Eyed Peasは感動と驚きに満ちたステージだった。
アメリカ合衆国のヒップホップ・ミクスチャーグループとして常に最先端を走り続けているBlack Eyed PeasはDJやバンドマンから多大なリスペクトを受けている。Black Eyed Peasは一曲目に「Let's get it started」をチョイス。ファンでなくても知っているであろう名曲にマリンスタジアムが大合唱!

"Black Eyed Peasが目の前にいる"という興奮が抑えきれず、統率の乱れたフロアをWill i amが「チョット マッテナ!」の、たった一言で自分の手中に取り戻す。BEPメンバーのステージでの立ち振る舞いは常に明るく、どこを向いてもスマイル。マイクトラブルに見舞われた際にもお互いのマイクを貸し合いながら乗り切り、BEPの仲の良さをステージ越しで感じられた。

「Where is the love」では、BEPの活動を離れているファーギーの代わりに元2NE1のCLがサプライズで登場。この曲は愛と平和を訴えかける曲で、2003年のリリースから13年が経った昨年にリメイク版がリリースされた名曲。Will I Amはこの曲のライブ中に人種差別、テロなどといった現代の問題を提起するスピーチを行った。そしてステージの照明を落とすとオーディエンス1人1人が掲げるスマホのライトがまるで満天の星空のような幻想的な空間を作り出し、愛と平和を掲げて活動する彼らを照らした。この美しい光景を作り上げたオーディエンスはもちろん、会場のスタッフまでもが目に涙を浮かべていた。


そして最後は「I Gotta Feeling」で最高のパーティー感を演出し、10年ぶりのステージを終えた。

Black Eyed Peasがステージを去った後、DJ界ではダントツ1位になる年収50億超えを誇るCalvin Harrisがパフォーマンスするためにステージ転換が始まる。そのステージに運び込まれた見たこともないような大規模なDJブースを前にフロアは騒然とし、さらに期待は高まった。

そして、Calvin Harrisの登場に時間になり会場が暗転。それだけで観客の興奮は抑えきれず、雄叫びのような声がフロアのあちこちで聞こえた。彼が1曲目に選んだのはCalvin Harris「C.U.B.A」。ドロップに入った瞬間に会場は縦に大きく揺れる。Calvinはステージに上がってたった1曲で、ものの見事にフロアをロックしてみせた。

その後、立て続けにCalvin Harris ft. Rihanna「This Is What You Came For (R3hab & Henry Fong Remix)」やCalvin Harris ft. John Newman 「Blame」など、自身が長年作り上げて来たエレクトロハウス系のヒット曲で攻め続ける。彼のセットはRemixやマッシュアップが多く、知っている曲が流れていたとしてもドロップ部分がID(未公開曲)だったりするため、常に予測不能。素人も玄人もこの空間ではただ、彼の音楽に酔いしれ、踊り狂うだけだった。


最新アルバムから「Slide」が流れたときにはスマホのライトをかざし、みんなで横に揺れる。Calvin Harrisもその光景を気に入った様子で、「日本に戻って来れて嬉しいよ!」というコメントを添えてインスタグラムにビデオをアップしていた。
 

So good to be back in Japan !

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たった1人のスコットランド人がCDJのプレイボタンを押し、ミキサーでミックスし、様々な国や地域からやって来た数万人の観客の心を繋ぎ合わせていく。彼が5年連続で年収1位のDJとしての座を守り続ける理由がここにあった。

Writetn by: Kentis