イギリスのロックバンド、The Magic Numbers(ザ・マジック・ナンバーズ)2組の兄妹(ロメオとミシェル・ストッダート、そしてショーンとアンジェラ・ギャノン)により構成されたこのバンドは、音楽を通じて長年に渡る絆を築いてきた。

The Magic Numbers は、2018年7月6日に東京・四谷 Outbrake !にて、7日には東京・大塚のHearts +にてライブを開催したが、彼らの今回の東京訪問に際し、約4年ぶりとなるニューアルバム『Outsiders(アウトサイダーズ)』に焦点を当て、このグループが類まれなバンドと言われている理由についてを探ってみた。
 

iFLYERでは、The Magic Numbersの東京公演の前に、ロメオ、アンジェラ、ミシェルに話を聞くことができたので、ぜひチェックしてもらいたい。
 

iFLYER:皆さんの新しいアルバム『Outsiders』は、メジャーレーベルからの発売ですか?

ロメオ:このアルバムのために、自前のレコード・レーベルを作ったんだ。日本では Vinyl Junkie のようなパートナーを選ぶことができた。これによって、目標に更に近づけると思っているよ。小さなチームを様々な場所で展開しているから、僕ら音楽活動に専念できる。行きたい場所に行けるしね。ここ(日本)にはぜひ戻って来たかった。


パートナーを選ぶ自由を得たので、私たちの作り出す音楽を深く愛してくれている人たちと働きたいと思っているよ。

iFLYER:『Outsiders』というのは、音楽業界においてのアウトサイダーという意味でしょうか? それとも、どんな場面においてもでしょうか?

ロメオ:アウトサイダーという意識が僕らのバンドにはある。自分の好きなことをしたいようにする。周りになじまない。それがいいんだ。
初アルバムでも僕たちはアウトサイダーだった。3部ハーモニーはその頃誰もしてなかったけど、僕らはやっていた。成功するために、バンドとしてトレンドや音を追いかける必要がないということは、素晴らしいことさ。

iFLYER:メジャーレーベルと連携しないのはとても大きな決断だったことでしょう。駆け出し中の若手バンドに対するアドバイスをお願いします。

ロメオ:始めから自分たちでやれることをやれるだけやり切って、誰もが認めるものを作り上げるんだ。そして、出会う人たちや人間関係を大切にする。バンドとして達成したいことを、きちんと自分たち自身で把握していることも大事だよ。

iFLYER:理想のファン像を教えてください。

ロメオ:ちょうど昨晩、そのことについて話していたんだ(笑)。僕らは UK ツアーを終えたばかりなんだけど、本当に素晴らしかった。即興で演目に加わってくれた人たちもいた。ロックをガンガン歌った直後、会場が水を打ったように静まり返った時があった。とても印象的だったよ。 オーディエンスと一緒にいると、旅は楽しいね。

ニール・ヤングとツアーをした時、これを僕らもファン側の立場で経験することができた。アルバムに収録された通りに弾くのではなく、無意識のうちにジャムをしながら、群衆と陶酔して曲を作り上げていく。 僕らは歌モノのロックバンドだけど、ニールとそのバックバンドのように、その場のノリでライブを作り上げていく様子はとても感動的だった。彼にはとても元気をもらった。僕らも彼のようになりたいと思うね。
 

iFLYER:オーディエンスも陶酔できますか?

ロメオ:そこに一緒にいて、感じることができるならね。最高のフィーリングだよ。だけど、陶酔しているときに群衆の後方で何かが起きて、現実に引き戻されるのはとてもつらいね。 

iFLYER:皆さんそれぞれ、ファンベースと共に永遠に生き続けてほしい歌をカタログから選んでもらえますか。最も人気のある曲ではなく、自分が好きな曲を選んでください。

ミシェル:初LPの「This Love(ディス・ラブ)」ね。とてもつらい時に聞く曲の1つで、思いが上向きになるわ。
 

アンジェラ:「Sing Me A Rebel Song(シング・ミー・ア・レベル・ソング)」だわ。パワーがあって、デリケートな面もあるの。今のところ、この歌は時代を超越でき、人々はこの歌に多種多様な意味を見出して、 いろいろと関連付けることができると思うわ。
 

ロメオ:僕は現在のことも言う必要があるだろうね。だから、「Sweet Divide(スウィート・ディヴァイド)」だよ。   ギターに興奮する曲で、ライブで演奏するのがとても楽しみなんだ。この曲のメッセージは、受け入れることと手放すことさ。
 

Interview: Josh Barry