Tom Morello(トム・モレロ)と言えば、泣く子も黙る世界的ロック・バンド「Rage Against the Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)」のギタリスト。

過去にはスタジオ・アルバムは計4作中2作が全米1位、グラミーへのノミネートは7度、そのうち2度の受賞歴(「ベスト・メタル・パフォーマンス」「ベスト・ハード・ロック・パフォーマンス」)、更には「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」に2003年には26位に、20011年には40位に、2度も 選出されているという実力・人気の持ち主だ。


その Tom Morello が自身初となるソロ・アルバムをリリースするというので、発売前から世界中のロックファンたちの間で話題となっていた。しかし、蓋を開けてみて更にファンたちは驚愕することに……なんと、Tom Morello の初ソロ・アルバムは "ダンス・ミュージック・アルバム" だったのだ!!
 
 

世界的ギタリスト Tom Morello ダンスミュージックに殴り込み!?

この初ソロ・アルバム『The Atlas Underground(ジ・アトラス・アンダーグラウンド)』は、もちろん Tom Morello ならではのカッティング・ギターも健在ながら、バリバリのダンス・ミュージックに仕上がっている一枚となっている。それもそのはず、EDM 界のお祭り番長にして様々なシーンのトップアーティストたちとコラボを重ねてきた DJ/プロデューサーの Steve Aoki (スティーヴ・アオキ)を筆頭に、Bassnectar(ベースネクター)、Whethan(ウィーサン)、Knife Party(ナイフ・パーティ) と、ダンスミュージックシーンで活躍するアーティストたちが多数集結!


更に、Wu-Tang Clan の RZA & GZA、Big Boi、Vic Mensa、Gary Clark Jr.、Killer Mike と、Hip Hop、SOUL ミュージックシーンの要注目人物たちや、ロックシーンからも Portugal.The Man、Marcus Mumford、K.Flay も参加し、ジャンルを超えた究極のクロスオーバー作品となっている。

過去3年間、Bruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン)とのツアーや、Prophets Of Rage (プロフェッツ・オブ・レイジ)のツアーで作業ができなかったという Tom Morello。しかし、この3年越しの作品は、それだけ推敲が重ねられた超大作に仕上がっているわけで、元来のファンのみならず、ダンスミュージックファンも必聴の作品だ。

今回のアルバム発売に際し、Apple Music のインタビュー番組「It's Electric!」内で、Tom Morello はこう語っている。

What I wanted to do was, you know aim to create a new genre of music that combines like my analog Marshall stack guitar playing with like the sounds of now and then some of my favorite singers and rappers.

俺のアナログなマーシャルのギターサウンドと最近の音楽を組み合わせて、俺の好きなラッパーやシンガーに歌ってもらい、新たなジャンルの音楽を作りたかったんだ。

I can tell you that no one was a greater enemy of EDM than myself. I referred to it as Italian taxicab music. No matter where you were in Europe, you're on your way to the gig and you're like, turn that awful thing down.

But it was a few years ago where a friend of mine who has, sort of in the Nine Inch Nails world, has one foot in rock and one foot in electronica. I said play me something I might enjoy and he played me Knife Party and Skrillex.

I was like, this is heavy metal. It had the same tension and release and the same aggression and the same audacity and it wasn't Ibiza dance jams. The drops felt like Rage Against The Machine drops to me. I said what if we took music that's cut together like this but we replace their synthesizers with my electric guitars?

So I've always liked the idea of sort of challenging myself and sort of incorporating other genres while keeping the integrity and authenticity of who I am.

以前は、俺は誰よりも EDM を嫌っていたんだ。俺は EDM を「イタリアのタクシーでかかっていそうな音楽」とか言ってバカにしてた。例えば、ヨーロッパでライブに行く途中のタクシーで EDM が掛かっていたら「音量を下げろ!」ってな具合だったしな。

ところが、数年前だったかな。ナインインチネイルズのように、ロックとエレクトロニカの両方に片足ずつ突っ込んでいるような俺の友だちがいて、何か俺が楽しめるような曲を掛けてくれよって言ったら、彼は Knife Party と Skrillex をプレイしたんだ。

それは、まるでヘヴィメタルのようなテンションと攻撃性、大胆さを持っていて、イビザのダンスミュージックシーンとは全然違っていた。Rage Against The Machine のようなドロップだと俺には思えたし、シンセサイザーの音をカットして俺のギターを入れたらどうなるんだろうって思った。

俺はいつだって、自分自身に挑戦するのが好きなんだ。俺が俺自身であることを保ちながらも、そこに他のジャンルを組み込んでいくようなことがね。

 

それまでの彼の頭の中にあった "EDM" のイメージを、Knife Party と Skrillex によって打破されたという世界的ロック・ギタリスト Tom Morello が作り上げた、新しい EDM の形……一体どのような作品に仕上がっているのか、アルバム一枚を通してぜひ聴き込んで欲しい。 

ちなみに、上記のインタビュー動画のインタビュアーは Metallica(メタリカ)の Lars Ulrich (ラーズ・ウルリッヒ)。約30分と長いインタビュー動画だが、後半は Rage Against the Machine についてもたっぷりと触れられているので、英語に自信がある方はぜひ見てみてはいかがだろうか。

●国内盤ボーナス・トラック 1 曲収録
●初回仕様限定盤のみステッカー封入