2019年の今年、新成人となる君たちが生まれた、1999年。世紀末ムードが MAX となる中、それまで散々「人類が滅亡する!」と騒がれていたノストラダムスの大予言の7月にも、結局何も起こらなかった、そんな1999年……。この年に何が起きて、そして国内外の音楽シーンでは何が流行り、何が起きていたのか。君が生まれたその年を、少しだけ紐解いてみよう。
今とは全く違ったカルチャーに驚愕するかもしれないし、逆に今と大して変わらないじゃん! と思うかもしれないが、とにかく1999年はこんな年だった。
 

1999年の日本ではこんな曲が流行し、こんなことが起きていた!! 

1999年、日本では携帯電話の番号が11桁になり、現在の形へと落ち着いたり、ファービー人形やキックボードといったポップな商品も人気を博した。
日本のメジャーシーンでは、今年 Skrillex とのコラボ曲でも話題の宇多田ヒカル「Automatic」をリリースし「天才現る!」と騒がれた。
 

モーニング娘。も大ヒットを飛ばした。とにかく能天気に明るい曲調で、世紀末感をことごとく吹き飛ばしていたのが印象的だった。
 

オリコン上位には、 GLAY や L'arc~en~Ciel といったバンドも。

GLAY / Winter, again

L'Arc~en~Ciel「HEAVEN'S DRIVE」Live 1999 - 2015​

ネタ的に大ヒットを飛ばしていたのは「だんご3兄弟」。それまで4つ1串で売っていた団子屋さんも、この歌にあやかり3つ1串で売ったりと、商業的分野にまで影響を与えていた。


日サロで焼いた黒い肌、太いアイメイク、白いアイシャドウやリップといったメイクが特徴的なヤマンバギャルが台頭したのも1999年。更に新世代ギャルたちによる第三次パラパラブームも起きた。

その一方で、石原慎太郎が東京都知事として当選し、クラブシーンへの締付けが厳しくなり、警察のクラブへのガサ入れが増えた年でもあった。98年に大幅改正された風営法の煽りを食らい、多くのクラブが営業時間を短縮したり、風営法違反で摘発されたり、またそれを恐れて自粛したりというクラブまであった。その過程でもちろんドラッグへの取り締まりも強化され、クラブばかりか屋外レイブ等での警察によるチェックも厳しくなり、いくつものイベントが閉鎖に追い込まれた。
 

海外のクラブシーンでは何が流行っていた?

ちなみに、こちらは 1999年の ULTRA のラインナップ。ハウス、ドラムン、テクノ、トリップホップ……と、アーティストのジャンルは現在とはかなり毛色が違う。


なお、1999年の「DJ MAG TOP 100 DJ」の順位(1〜30位まで抜粋)は、以下の通り。

1.Paul Oakenfold
2.Carl Cox
3.Sacha
4.Judge Jules
5.Paul van Dyk
6.John Digweed
7.Fatboy Slim
8.Danny Tenaglia
9.Roger Sanchez
10.Nick Warren
11.Pate Tong
12.Masters at Work
13.Srb Fontaine
14.Tall Pail
15.Tony Humphries
16.Danny Howells
17.Dave Seaman
18.Basement Jaxx
19.Danny Tampling
20.Gilles Peterson
21.Allister Whitehead
22.Jeremy Healy
23.Frankie Knuckles
24.Richie Hawtin
25.Chemical Brothers
26.Graeme Park
27.David Morales
28.Adam Freeland
29.Derrick Carter
30.Scratch Perverts

やはり、ハウス、テクノ、トランス、ビッグビートといったジャンルのアーティストが数多くラインナップされており、EDM 一色となった現在とはだいぶ違う。
ビッグビート系の音楽といえば、現在進行形で世界中で絶大な人気を誇る The Chemical Brothers の代表曲 “Let Forever Be” も、1999年リリース。それ以外にも、以下のような曲も流行していた。

The Chemical Brothers “Let Forever Be”

Apollo 440 - Stop the Rock (IDS Version Without Shouting (Video))

Mint Royale: From Rusholme With Love (Extended Version)

この曲も、やたらと色んなところでかけられていた1999年リリースの人気曲。

Kernkraft 400 - Zombie Nation

なお、後に郷ひろみによって日本語カバーされたリッキー・マーティン「Livin’ La Vida Loca」もこの年にリリースされ、世界中で大ヒットした。

Ricky Martin - Livin' La Vida Loca (Official Music Video)​


Written by きのや