レッドブルによる都市型音楽フェス【RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2019】。芸術性と創造性に富んだ 7つのイベントが、都内各所で 2019年4月8日(月)〜4月20(土)までの約2週間にわたって開催された。

その最終日を締めくくるのにふさわしい、独創的かつ豪華なイベント【花紅柳緑(かこうりゅうりょく)@浜離宮恩賜庭園】が 4月20日(土)、約25万平方メートルという広大な敷地を誇る国の特別名勝にして特別史跡にも指定された日本庭園「浜離宮恩賜庭園」を舞台に催された。花紅柳緑では、庭園を美しく彩る光の演出と、音楽家たちが奏でるアンビエントミュージック(環境音楽)のライブが行われた。


ステージ登場したのは、アンビエントミュージックの先駆者「INOYAMALAND」を始め、「YOSI HORIKAWA」「HAIOKA」「Kate NV」「Nami Sato」「Loradeniz」という実力派 6組。庭園内は彼らの音楽により新たな「夜」の顔を見せ、光の演出も相まって、辺り一帯が幻想的なムードに包まれた。


19時にスタートした同イベント。浜離宮恩賜庭園の中に入ると、普段のそことは一変した趣となっており、行灯で装飾された道、特設されたバーカウンターなど、今夜だけの特別演出が入場者たちを出迎えた。ワクワクした様子で足早に入場する観客たちは、それぞれ「富士見山下」「中島の御茶屋」「鷹の御茶屋前」の3つのステージへと散っていく。ステージへ向かう道すがら、本イベントにて照明演出を担当する HIKARI ASOBI CLUB による光の演出が、会場をより幻想的な雰囲気に仕立て上げていた。



豪華7名のアーティストが奏でるのは、アンビエントミュージック(環境音楽)。周りの環境に溶け込むような味わい深い音楽が、日本ならではの美しい自然が広がる浜離宮恩賜庭園を新たな姿へと変貌させる。各ステージではほぼ同時に3組のライブがスタート。ステージやバーカウンターの設置に加え、花々にも光の演出が行われた「富士見山下」では、多くの観客が待ち望む中、YOSI HORIKAWA が登場。企業や有名ブランドの楽曲制作を初め幅広い分野で活躍する彼のテクニックが最大限に引き出された音楽が庭園内に響き渡る。流れ出る音楽と、美しい照明によって照らされた「富士見山下」のコンビネーションが作り出す空間は、まるで一つの作品そのもので、観客たちはそのサウンドを聴きながらリラックスした姿勢で芝生の上に座り込み、体を揺らしていた。


どんどん観客が増えていく中、次に「富士見山下」に登場したのは、アンビエントミュージックの先駆者 INOYAMALAND。スモークの演出により、厳かな雰囲気に包まれた会場の様子を写真に収める人、ドリンクを片手に音楽を楽しむ人、芝生に横になりながら音楽を楽しむ人など、観客は思い思いにアンビエントミュージックに聞き入っていた。ステージの背後に見える高層ビル、浜離宮の美しい緑、そして幻想的なステージが調和する特別な空間となった。


今回のイベントで唯一の室内ステージとなる「中島の御茶屋」では、トップバッターとして HAIOKA が登場。照明演出の映る水面が一際美しい「潮入の池」
に浮かぶ特設ステージは、赤い絨毯を基調とした和を彷彿させる仕上がりに。デジタルな楽曲に生の琴やギター、フィールド・レコーディングを加え、優雅でデリケートながら意志の強さも感じさせるサウンドはこの特別ステージにとてもマッチしていた。ステージを臨む茶屋の座敷からだけではなく、橋で歩みを止め聞き入る観客も多く見られた。


続いて登場したアーティストは Kate NV。日本の音楽に影響を受けながら、モスクワを拠点に活動を行う彼女のステージでは、水の入ったワイングラスなどがセットされ、観客はこれから始まるパフォーマンスに期待を膨らませていた。曲がスタートすると、実験的なその独自の世界観に会場は包まれ、和を感じさせるステージとは対照的な彼女の音楽が、会場を神秘的な空間へと変貌させていった。


庭園内手前に佇む「鷹の御茶屋前」では、Nami SatoLoradeniz の女性 2人が最初のアーティストとして登場。しっとりとした雰囲気の中2人から奏でられる音は、呼吸が合わさることで1つの美しい音楽へと姿を変えていく。途中自身の声を音楽に取り入れる場面も見られ、観客は優美な歌声に酔いしれていた。ステージの背後では「鷹の御茶屋前」が美しくライトアップされ、リラックスした雰囲気の中、観客たちは自然を取り込んだ深い音の魅力に引き込まれ、都会の喧騒を忘れて身体全体で音楽を味わっていた。


 

花紅柳緑@浜離宮恩賜庭園

日程:2019年4月20日(土)
時間:19:00 開場
会場:浜離宮恩賜庭園
(東京都中央区浜離宮庭園1-1)
出演:
INOYAMALAND
YOSI HORIKAWA
HAIOKA
Kate NV
Nami Sato + Loradeniz

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