DJを志す人なら誰でも「上手くなりたい!」と意気込むもの。基礎的な繋ぎ方や機材の使い方をなんとなく覚えてくると、テクニックや機材の裏ワザをもっと習得したくなるはず。だけど、何をすればいいのか分からないのが実情。そんなみなさんに、DJとしても活動するiFLYERスタッフの So-on がDJ上達ためのハウツーを紹介しよう。

基礎的な曲の繋ぎ方はYouTubeにレクチャー動画がたくさんアップされているのでそちらをチェックして欲しい。特にオススメなのがTJOによる「TJO DJ ACADEMY」。

So-onとは?

So-on(ソーオン)は東京を拠点に全国のクラブで活動する DJ。2018年に BEST OF JAPAN DJs Ranking U-29 で1位をマークし、若手ナンバーワンDJ の地位を確立。
2019年は TBSドラマ「凪のお暇」にて中村倫也演じるゴンの DJ 演技指導を担当。また8月には日本政府と国連による国際会議「 TICAD7 」のサイドプロジェクトに DJ 出演。
ロック、ポップス、Hip-Hop、HOUSEなど様々なジャンルを巧みに織り交ぜてオーディエンスをロックし続ける技巧派として定評を集めている。

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DJスクールには通うべき?


必ずしもDJスクールに通うのが上達への近道、という訳ではない。もちろんDJスクールではプロのDJからスキルを学べるし、クラブDJデビューの機会をもらえる可能性もあるのでメリットは多いが、高い授業料を払うのが負担だったり、時間がなかなか合わなくて授業を受けられないのであればDJスクールに通う必要は無いだろう。

もちろんDJスクールに通う、通わないに関わらず DJ 機材は自宅にあった方が良い。 機材は高価なものでなく PCDJ コントローラーでも良い。住んでいる場所の事情で大きな音が出せなくてもヘッドホンでモニタリングして練習できるし、ちょっと時間ができたときにサクッと練習できるのが便利。

できれば30分だけでも良いので毎日練習して欲しい。スクラッチを習得したい人はスクラッチの基礎ワザ(ベイビー、チャープスなど)、選曲センスを上げたい人はテキトーに選んだ1曲から繋ぎ続ける練習だけでも良い。反復練習こそ実力への近道!

 

上手くなりたければ現場に行くべし!


上手くなりたければ、やはり現場(クラブやバー)に足を運ぶべし。クラブでプレイするDJたちは長年の経験値から磨き抜かれたスキルやワザが蓄積されており、オーディエンスに合わせた選曲や パフォーマンスなど、自宅で練習していてはなかなか得ることができないものがたくさんある。

別にわざわざメモ帳とペンを持って「勉強に行くぞ!」と意気込んで行く必要は無い。好きなクラブだから、最近気になっているアーティストが出てるから、友達が出てるから、みたいな動機で良いので、軽いノリで遊びに行って楽しみながら何かを学んで帰って来れば完璧だ。

筆者も勉強のためにクラブに遊びに行って、刺激を受けて帰ってきて朝から練習に明け暮れたことは何度もある。最近は未成年が入れる未成年向けのイベントも増えてきたので、年齢がネックになることもあまりない。

素晴らしいプレイをしていたDJには勇気を出して声をかけに行っても良いだろう。親切な DJ ならアドバイスをくれるはず。

もし現場で DJ デビューする機会をもらったら、積極的にチャレンジしてみよう!新人のうちからクラブのメインフロアで良い時間をもらって DJ することは滅多になく、早い時間帯やラウンジフロアなどからスタートすることになるはず。スキルに自信がないからデビューをためらう人も多いようだが、やはり現場でのプレイ経験は重要なので、ガンガン経験するべき。


 

YouTube をチェックしよう

現場に行く余裕が無かったり、頭打ちになってきたように感じたら、YouTubeを活用してみよう。スキルを紹介している動画チャンネルがたくさんあるため、YouTube動画で DJ のテクニックを学ぶことなど容易になってきたのだ。

DJ スキルの勉強にオススメのYouTubeチャンネルをいくつか紹介しよう。

Crossfader

海外のチャンネルなので日本語は用意されていないが、ハウス、Hip-Hop、ドラムンベースなど様々なジャンルのDJルーティンが波形付きで見れるのでかなり参考になる。

mixmag

世界の第一線で活躍しているアーティストたちの選曲を見て学ぶのもテクニック向上のコツ。好きなアーティストが出演していたら必ず見ることにしよう。きになる曲があったらパソコンのスピーカーに向けてShazamしてみたり動画のコメント欄にプレイリストが貼られていないかチェックしてみたり工夫して曲を探し出そう。


スクラッチ備忘録

スクラッチの基礎を学ぶなら「トマト備忘録」がオススメ。ターンテーブリストとして大会に出場しているDJがスクラッチの基礎の基礎からターンテーブルの扱い方、機材紹介などをしている動画チャンネルなのだが、かなり勉強になる。さらに掘り下げたスキルを学びたい人のために有料の動画も用意されている。


他にもYouTubeにはたくさんのDJ関連の動画チャンネルがあるので、自分の極めたい分野に合ったものを探してみよう。

 

練習モチベーションが下がったら...

日々の仕事や現場をこなすのが忙しかったり、練習が億劫になって練習へのモチベーションが下がることもあるはず。その場合は日々の DJ 練習がマンネリになっているのかもしれない。少しメニューを変えてみたり、いつもやらないジャンルにチャレンジしてみたりして、新しい発見を探しに行ってみよう。

それでもダメなら、たまには雲の上を覗いてみよう。世界トップDJたちのパフォーマンスを見ていると「自分も頑張らないとな...」と気づけば重い腰が上がっているはず。

まずはDJスキルの天下一武道会こと DMC World DJ Championship から。ソロ部門で2年連続チャンピオンとなったフランスの DJ Skillz を見て欲しい。

「いかにフロアをロックできるか」に特化したDJバトル「RedBull 3style」のワールドチャンピオン、Damianito(ダミアニート)のパフォーマンス映像を。
テクニックはもちろん、選曲センス、パフォーマンスセンスも問われるこの大会は多くのクラブDJたちの憧れの舞台でもある。

いつかビッグフェスへの出演を夢見るあなたは ULTRA JAPAN 2019 の Dash Berlin(ダッシュ・ベルリン)のセットが良い刺激になるだろう。
 

DJとして上手くなるには練習だけすれば良いというわけではない。自宅でスキルを磨いて、現場で刺激を得て、ステージで経験を積んで、共に上を目指していこう。

Written by So-on