新型コロナウイルスの感染拡大が騒がれている2020年だが、何気に気になるのが地震のニュース。忘れた頃に震度3、震度4、とちょっと大きな揺れを感じたり、緊急地震速報にビクッとしたり……という方も多いことだろう。

揺れを感じた直後は「最近ちょっと地震多くない?」なんて、不安な気持ちになったとしても、すぐに忘れてしまうもの。
でも、この辺りでもう一度、棚の奥で埃をかぶっている防災袋の中身を確認しておいた方が良いかもしれない。

地震は忘れた頃にやって来る。もし今、この新型コロナウイルスが蔓延している状況で大地震が起きて、避難所で生活することになったら……新型コロナがますます感染しやすい状況に陥るだろうことは目に見えている。
そこで、新型コロナウイルス対策も踏まえて今一度、防災袋の中身を確認しておいてはいかがだろうか。


 

1. 飲料水、備蓄食料の賞味期限をチェック!

既に防災袋を持っている方に最初に確認してもらいたいのが、飲食物の消費期限の確認。
消費期限が超えそうな物や超えてしまったものは早めに取り替えよう。特に、ペットボトルの水などで、長期保存用ではなく普通のものをストックしている人は、案外消費期限が迫っていることも。

2. 物品の劣化にも注意!

携帯ラジオ等で乾電池を使用するものが入っている場合、古い乾電池を入れっぱなしにしておくと、電解液が漏れ出して乾燥して白い粉を吹いている場合も。この電解液は劇薬指定されているもの。機械を壊すだけではなく目に入ると失明の危険性もあるとのことなので、アウトドアで時々使ったりしている、というような場合は、都度、電池を取り外しておこう。長期で使わない場合は、絶対に電池を入れっぱなしにしないこと!
また、ゴムやプラスチック等が温度や紫外線等で劣化する場合もあるので、一応全ての防災グッズに目を通しておいた方が良さそうだ。
 

3. 新型コロナウイルス対策グッズを追加!

今、もし地震が来て多数の人がいる避難所に一時的にでも避難せざるを得なくなった場合……一番怖いのが、新型コロナウイルスへの感染だ。
そのため、マスクは少し多めに防災袋に追加しておいた方が良いだろう。いざという時に汚れて使えない、ということにならないように、箱入りのものなどもジップロック等に入れて水に濡れないようにしよう。
また、手指用の消毒用アルコールジェル・スプレー、アルコール除菌シート、液体・紙石鹸等も用意しておいた方が良いだろう。
これらは、新型コロナウイルス禍でなくても、避難所で大いに役に立ってくれることは間違いないが、セットの防災セットにはマスク以外は準備されていないことが多いため、この機会に準備しておこう。

4.一次避難、二次避難で防災の準備を

一口に「防災袋」「防災バッグ」と言っても、一次避難、二次避難用で違うことを覚えておこう。
一次避難の場合は、本当の緊急事態で、1秒でも早く安全な場所へと避難する場合。一次避難用の防災袋の中身は、すぐに持ち出せるよう、1〜2日程度を避難所で過ごせる程度の必要最低限のものだけにしておく。
500mlの水1〜2本、マスク、軍手、ビスケット等のお菓子、のど飴、絆創膏、ガーゼ、タオル、身分証のコピー、眼鏡、ティッシュ、防寒シート、生理用品等を、濡れないようにジップロック等に小分けにして入れておこう。

二次避難の場合は、一次避難後に安全が確保できてから必要となるものを準備。避難所での生活を少しでも快適に過ごせるようなものを入れよう。こちらもなるべく部屋の中の一箇所にまとめておいて、いざという時に持ち出しやすいようにしておこう。案外、防災用品をアウトドアで使用して、そのまま押入れの奥にバラバラに突っ込んでしまっていたりしがちなので注意!
こちらにも新型コロナウイルス対策用として、アルコール除菌スプレーや拭き取り用の布切れなどを少し入れておけば、避難所での安心度が少し上がるかもしれない。
また、着替えやバスタオル、保存食などもまとめて持ち出せるようにしておこう。

中身がセットになった「防災バッグ」の値段や使い勝手は?

防災グッズとセットになって販売されている市販の防災バッグは、一次避難に必要なグッズが最低限揃っているものが多いが、グッズの中には使い勝手が悪かったり、サイズが小さすぎる、安っぽすぎて使えるか不安な物品も混じっている、と感じている方も多いようで、市販の防災バッグの場合「この防災袋を買っておけば完璧」というものは、正直ないように思える。

ただし、市販の防災バッグセットのポイントは「必要そうなものが大体入っている」という部分。防災グッズを一から自分で揃え始めると、なかなか手間がかかり、途中で面倒くさくなって放置してしまいがち。そこで、セットになった防災袋を買えば、とりあえずないよりはマシ、という物品が一気に手元に揃うので、あとは一つずつ、自分に必要なものを準備していくのが「使える防災袋」を準備するために一番手っ取り早い方法だろう。

ちょっと無駄が多いように思えるかもしれないが、防災に関しては注意し過ぎる、ということはない。いざという時に、自分の命が助かるか否か、という究極の状況に関わってくるものなので、もはや「防災グッズ」のチェックは趣味にしてしまった方が良いかもしれない。
また、防災バッグに関しては「チャチな作りなのに高い」と感じている方も多いようだが、防災バッグは防水性や防火性に考慮されているものも多い。逆に言えば、防水性も防火性もない防災バッグが高価だったら防災袋として全く意味がないので、購入時にはその辺りもしっかりチェックしておいた方が良いだろう。

防災袋をまだ持っていない……という方に、いくつか防災グッズがセットになった防災袋をご紹介しよう。

山善 防災30点セットYAMAZEN 防災バッグ30 YBG-30R

4,378円(配送料無料)

避難所で必要なものが一通りセットになっている防災袋。値段もお手頃で嬉しい。懐中電灯に電池が入っていないので、別途購入しておこう。また、水や保存食、ラジオ、バッテリー等も含まれていないので、別途用意する必要がある。

 

Relieved Life 防災グッズ セット 1人用 【消防士協力監修 40種類48点セット】選べるリュックカラー 災害避難セット (ソーラーラジオセット オレンジ)

12,880円(配送料無料)

山善の防災袋と比較すると倍以上の値段となってしまうが、この防災袋のポイントは防水性が高く大型のリュックと、ソーラーラジオ。リュックにスペースがあるので、他に入れたい防災グッズを入れられる。ソーラーラジオは、太陽光充電、USB 充電、手回し充電ができるほか乾電池も使え、ラジオ、LED ライト、携帯電話の充電にも使えるので非常に役立ちそうだ。避難所での睡眠に役立つエアベッド、非常用トイレも10回分と多めに用意されているのも嬉しい。
 

HIH 防災グッズ 防災セット 1人用 ハザードバック20 Regular 防水バッグに入った非常用持ち出し袋

5,280円(配送料無料)

「福島県の被災企業が考案制作!体験したからわかる必要な人気グッズのみを厳選。」と書いてあるように、必要最低限のものがコンパクトにまとめられている。更に、バッグは水が浸水してこない防水バッグで、荷物の濡れを防ぐと共に、いざとなったら給水タンクとしても使えるのがポイントだ。追加したいものとしては、ラジオと携帯用充電器、携帯枕など。


もちろん、一時避難用の災害袋一つでは心許ないので、日頃から必要そうなものなどをチェックしておこう。
また、非常食に関しては、いざという時には非常食となるものを少し多めに購入し、日頃から少しずつ食べて使った分を補充していく「ローリングストック」という備蓄方法もある。美味しくて軽量、日持ちする、かさばらないフリーズドライフードや缶詰食等を普段の食生活に取り入れて、常日頃から防災に備えるようにしてみるのも良いのではないだろうか。