the japantimes によると、2001年に厚生労働省は「刺青・タトゥーを入れる人への健康を配慮し、医療行為とみなし彫り師・タトゥーアーティストは医師免許を取得しなければならない」と定めていたが、この度「刺青・タトゥーは医師法に反しない芸術的なものである」「医師免許取得者でなくとも施術を行って良い」と判断されたとのことだ。


この一件は、とあるタトゥーアーティストが2014年7月~2015年3月に渡って、医師免許がないのにも関わらず3人の体にタトゥーを施したとして、罰金30万円の支払い命令を受けたことを発端としている。2017年9月、大阪地裁は「タトゥーは皮膚障害を引き起こす危険があり、医療行為に当たる」としてタトゥーアーティストに有罪判決を言い渡したものの、2018年11月大阪最高裁は「刺青には装飾的、芸術的な特徴があり、医療目的ではない」との判決を出した。

本来であれば、医師免許を取得しなければ、日本では法律的には、彫り師・タトゥーアーティストになれなかったが、この最高裁の判決により、彫り師・タトゥーアーティストは自身らの芸術や作品を表現するのに医師免許取得必須という1つの大きな障壁が取り払われたことになる。この判決により、法的に医師免許がなくてもタトゥーショップを日本で開業できることとなった。


「日本」と「刺青・タトゥー」の関係は奥深く……切っても切れない縁である。日本の入れ墨の歴史は非常に深く、縄文時代にまで遡る。だが、明治時代に入って墨禁止令が出されたり、刺青と犯罪とに関連があったりと、様々な複雑な事情があり、長らく刺青やタトゥーはグレーゾーンのものとして取り扱われてきた。

近年のグローバル化に伴い、その見方は少しづつ変わりつつあるものの、やはり今だに日本では、刺青・タトゥーがタブー視され続けている部分がある。だが、この規制がなくなったことにより、多くの彫り師・タトゥーアーティストがより日本で活動しやすくなることは間違いないだろう。
また、この歴史的な判決により、今後、現在はほぼ禁止されている銭湯、露天風呂、温泉、ジム、プール、などの規制緩和に繋がる可能性もあるのではないかと見られている。