どこの国でも、人が集まって盛り上がる話の一つに「幽霊話」がある。その幽霊話が最も盛り上がるのが、死者が戻ってくる日であるとされるハロウィーンだ。

海外では「ゴーストハンター」という職業があったり、ゴーストハンターが幽霊や超常現象を撮影する番組が放映されたりしているが、イギリスではそのゴーストハンターが、イギリスの100円均一的なお店である「ポンドランド」でハロウィーングッズとして「ウィジャボード」が販売されているのは危険だ、と警告していると、イギリスのタブロイド紙「METORO」が伝えている。

ウィジャボードとは降霊術に用いられるボードで、YES、NO とアルファベッドが書かれたボードで、使い方はほぼ日本の「こっくりさん」と同じようなもので、使用者が自らの体に霊や精霊、悪魔などを降ろして質問の答えを求めるものだ。


ウィジャボードについての警告を発しているのは、専用の機器を使用するなどし、ゴーストハンティングに関するイベント等を主催する組織である True Paranormal Events UK のメンバーであり、超常現象捜査官の Paul Marsters 氏だ。

Paul Marsters 氏は以下のように語っている。

ウィジャボードはおもちゃではなく、使い方の訓練を受けていないハロウィーン気分の大人向けのポンドショップで、子どもまで購入できるようにすべきではない。材質がプラスチックか木であるかは関係ない。プランシェット(小さなハート型の平らな木片で、ウィジャボードの上を移動させて文字を指し示す器具)が「ゼウス」という言葉を綴っている場合、それは悪魔が通り抜けようとしていることを示しており、名前を言うべきではなく、それと通信することをやめるべきだ。

悪魔が誰かに執着し、その人物を追いかける際には、全ての地獄が解き放たれる可能性がある。厄介な魂は人々を傷つけたり攻撃したり、人々が重傷を負う可能性もあるので、混乱を作り出すべきではない。
ポンドランドがウィジャボードを販売しているのを見て、私はショックを受け、激怒した。

Paul Marsters 氏によると「特にハロウィーンはリスクが高まっているため、彼と同じような分野で活躍する多くのスペシャリストたちがそれについて怒っている」とのことだ。

ポンドランドによると、この製品は18歳以上しか入手できないとのことだが、Paul Marsters 氏は「この製品に年齢制限はない」と述べている。
また、超常現象コミュニティのメンバーは、ウィジャボードが「人々の生活を破壊する」と言い、更に「不吉な」ものは自殺の誘発に繋がる可能性があると主張している。

Paul Marsters 氏は以下のように述べている。

私はウィジャボードに触れることさえすない。危険過ぎて、それを使用することで何が起きるか分からないため、トレーニングを受けた霊媒師しかそれを扱わない。我々はガラス細工だけを使って、霊とコミュニケーションを取っている。超常現象コミュニティの誰もが怒っている。訓練されていない人がウィジャボードを使用するリスクは想像もできないものだ。ポンドランドがウィジャボードを販売することは馬鹿げている。

ウィジャボードは大人に大人気で、既にポドランドでは売り切れているとのことだ。ポンドランドのスポークスマンは以下のように述べている。

「スピリットボード(ウィジャボード)は成人指定があり、子どもに販売することはできないが、今年は800を超える店舗のうち約90店舗でハロウィーンの装飾品を幅広く販売していた。何れにせよ、それは今やほぼ売り切れている」

日本でも多感な少年少女がコックリさん遊びをして、狐憑きのような錯乱状態になってしまった、というような怪談話は珍しくないが、タブロイド紙とはいえ、大人向けの新聞にこういったニュースが掲載されるところが「幽霊が住んでいる(と噂になる)と古城の価値が上がる」とも言われている、いわばオカルト大国イギリスの、ハロウィーンという恒例行事に対する意気込みを感じさせる。