Web 会議ツール Zoom を出しにした新手の詐欺が現在横行しているとのことだ。詐欺師たちは「Zoom でお前の裸動画にアクセスした、拡散されたくなかったら身代金代としてビットコインで 2,000ドル支払え」と Eメールを送付してくる。もちろん被害者の多くは、裸で Zoom を使用しているユーザーたちであると Forbes が発表した。


この詐欺の始まりは、Bitdefender Antispam Lab によって発見された。著名人でもある TV レポーター、アナリストである Jeffrey Toobin 氏が、「Zoom にてビデオ会議をしている際に自慰行為を行った」とテレビで報道された後から始まったのだという。

Bitdefender によると、この報道直後から、アメリカを中心に約25万人以上の Zoom ユーザーが下記のようなメールを受け取ったそうだ。この脅迫 E メールを受信したユーザーたちは「もしかしたら自分の不注意で Zoom をオンにしたままだったのかもしれない」「親密な関係だったため裸で Zoom を使用していた」などと、思い当たる節があるため恐怖を感じ、詐欺の被害者となってしまったという。

▼ 実際の eメール

(一部抜粋)
「 題名:Zoom ミーティングについて」
全世界の人達がこの新型コロナのパンデミックの影響により、Zoom を使用していますが、あなたも最近 Zoom を使用したかと思います。そして、私たちはあなたに悪い知らせがあります。この出来事の背景についてまずお伝えします。

Zoom アプリのセキュリティーは非常に甘くなっています。それにより私たちはあなたの使用しているカメラ、そしてあなたのアカウントのメタデータに簡単にアクセスできてしまいます。そしてあなたが Zoom を使用している際に面白いもの発見し、その動画を私たちは録画しました。

私たちを責めたり、自分を責めたりしないでください。私は今現在、非常に体調が悪く、仕事も失い、家も立ち退きしなければならず、生きていくお金がないのです。これは全て新型コロナウイルスのせいです。本当にごめんなさい、でも私にはこれ以外に方法がないのです。あなたに次の  Jeffrey Toobin になって欲しくありません。あなたは恥ずかしい思いをしたくないですよね? 私が録画した、あなたが裸で行っている行為を、公にされたり、友達や家族に知られたくないですよね?

だからここで契約を結びましょう。3日以内にビットコインで 2,000ドル(約23万円)を送って下さい。そうすれば何も起こりません。
あ、それから警察に被害届などは出さないでくださいね。そういった馬鹿げたことをした場合は即、録画した動画を拡散します。
グッドラック!ストレスを感じないで!

なんともおぞましく卑怯な詐欺師である。現在、世界は新型コロナの影響の為、Zoom で恋人と話したりするカップルは多いことだろう。この恐喝の狡猾な点は「新型コロナ」「Zoom」「同情」といった、現在世界中の人々が共感できる内容を書き連ね、ユーザー心理をうまく突いて詐欺を試みている点だ。

しかし、万が一ということもあるので、心配な方はカメラはオフにしたり、使用していない時にはカメラにカバーをかける、そしてやはりカメラがオンになっている時は常に理性を保ち使用する、といった方法を取ったほうが良いかもしれない。