東京オリンピック開催まで後1ヶ月。
続々と選手や関係者が日本へと入国しているが、NIKKEI ASAHI によると、今後数週間の間に207カ国から約15,000人の選手と53,000人の関係者の入国が見込まれているという。

一部の医療専門家は、東京オリンピックの開催はスーパースプレッダーとなると警告しているが、主催者、政治家は「全ての方が "安心・安全" に開催できるように対策を講じている」と主張している。


選手や関係者が宿泊する選手村は、東京都中央区晴海に位置し、21の建物にて構成される。この中で、選手らは食事、宿泊、トレーニングを行うこととなっている。また、新型コロナウイルスのテストも頻繁に行われ「行動制限」「ソーシャルディスタンス」が取られるそうだ。

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■ ワクチン接種の状況は?


7月1日以降、海外から到着した選手のうち PCR 検査が陽性となった場合は、東京オリンピックが設置した施設に隔離されることなる。全選手は毎日 PCR 検査を受けることになっており、また主催者は規則がきちんと厳守されているかを確認するため、ビデオ録画や打ち抜き検査などをすることも計画されているようだ。

食事は1日約45,000食が提供予定で、カフェテリアと呼ばれる食堂にてアクリル板に囲まれて食事を取るそうだ。また食事はトレーに乗せられスタッフが選手へ配布する。各選手同士は約2メートルのソーシャルディスタンスを取っての食事となるそうだ。

オリンピック委員会会長の Thomas Bach は「私のプライドやエコノミーの問題ではない。我々は開催する、それは日本が適切な対応を取れるからだ。」としており、かなり日本に責任を丸投げにしている感は否めない。

これ以外にも問題はある。選手村でボランティアとして働く予定の約8,000人も、新型コロナウイルスから守らなければならない。主催者によると、選手たちと濃厚な接触があると予想されるボランティアの方へは新型コロナのワクチン接種を行う予定だとされているが、実際にワクチン接種が行われるのか否かについては、1ヶ月前である現在においてもまだ不透明であるとのことだ。

現在日本では、かなり世界から遅れを取っているものの、ようやく新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、1日に約90万人へ接種が行なわれている。6月23日現在、人口の約7%がワクチン接種を受けている。
選手や関係者へのワクチン接種は6月1日から始まっており、95%が東京オリンピック開催前に接種を完了する予定だそうだ。

 

■ ワクチン接種だけでは「安心・安全」と言えない現実

ワクチン接種は急ピッチで進められているものの、海外の選手が日本へ続々と入国し始め、これからの数カ月はかなり状況は難しいものとなるであろうことが浮き彫りになり始めた。
ウガンダの選手団が日本へ到着した際、全員がワクチン接種済みだったのにも関わらず、到着時の PCR 検査で1名が新型コロナ陽性反応が出たとのことだ。


さらに、インドで発生したとされる新型コロナの変異種であるデルタ株も懸念されている。
インドの選手に対しては、日本へ出発する7日前から毎日 PCR 検査を受けるようにと伝えられ、さらに日本到着後3日間は他の国の選手たちと練習をしないことも求められているという。

インドのオリンピック協会は、インド選手への規制強化は「不公平であり差別だ」とコメントしている。
これを受け、日本オリンピック委員会の山口かおり理事は「このオリンピックの試合は一部の選手にとっては不公平かもしれない」と述べた。

オリンピック委員会会長 Thomas Bach は、7月12日に日本へ来日予定となっているが、Thomas Bach は繰り返し「このオリンピックは、常に安全が最優先だ」と述べている。