UK Music が新たに発表した報告書によると、新型コロナウイルスのパンデミックによってイギリスの音楽業界で働いていた3分の1が失業したとのことだ。「This is Music 2021」と題された年次報告書によると、音楽部門の雇用は、2019年度の197,000人から昨年度は128,000人へと推移しており、35%減少したとのことだ。


新型コロナウイルスの影響で約69,000 人が仕事を失ったと推測され、また音楽クリエイターにおいては約40%が職を失ったという。ライブが収入源であるミュージシャンは、ライブ活動ができなくなり職を失う結果となった。

ライブ音楽の売り上げは約90%減少している。金額にすると約数億ドル(数百億円)となる。


報告書では、音楽クリエイターとそのチームはほぼ個人事業主であるため、イギリスの給付金制度のユニバーサル・クレジットや、個人事業主が受けられるサポート SEISS からの支援を受けても、音楽活動を続けることが難しい状況であるそうだ。

新型コロナウイルスのパンデミック渦中の2020年度をやり抜けていけたミュージシャンは、個人的な貯金、借り入れ、レコードや出版会社からの権利の使用料(ロイヤリティ収入)で生計を立てていたとのことだ。

Musicians’ Union の Horace Trubridge 事務局長は以下のようにコメントしている。

ライブが1年以上に渡り開催できなかった損失と、政府から音楽業界の財政援助を蚊帳の外に置いたため、結果として、多くの雇用と才能ある人材が職を失った。そして現在は、イギリスが欧州連合 (EU))から離脱するブレグジットの影響で(以前のように EU 内を自由に)移動することが困難な状況なため、アーティストはそういったことにも対処しなければならくなった。これまで世界へ大きな影響を与え続けてきたイギリスの音楽業界だが、今は生き残るために必死にもがいている。今こそ(イギリス)政府が音楽業界に介入し、現実的で効果的な支援を提供するべきだ。