VICE と現地の報道によると、39歳の Nguyen Xuan Quy と共犯者の Nguyen Van Ngoc、2名のベトナム人男性が、ベトナムの首都ハノイにあるベトナム国立精神病院内の Nguyen Xuan Quy の病室にて患者や職員を招待したレイヴパーティーを開催、精神病院施設から麻薬組織を操作した罪で、ハノイ人民裁判所から死刑を宣告された。このレイヴパーティーの参加者には MDMA、ケタミン、メタンフェタミンが配布・使用されていたとのことだ。

また、​Quy と Ngoc の他、4人が麻薬組織への関与で有罪判決を受け、5年から終身刑までの刑期を言い渡されている。病院の2人の看護師と1人の技師は、Quy が病院で薬物を使用および販売していることは知っていたが上司には知らせなかったと裁判所に告白、5年から7年の禁固刑を言い渡された。

また、精神病院の院長である Vuong Van Tinh は過失により保健省から解雇、病院の元部門長で Quy の主治医だった  Do Thi Luu は、職権乱用で懲役3年の刑を言い渡された。裁判所は、Do Thi Luu は Quy から毎月1,000万ベトナムドン(約60,800円)を受け取っていたと述べているが、彼女はそれを否定している。

Nguyen Xuan Quy には精神疾患の既往歴があり、2018年にベトナム国立精神病院に入院し、リハビリ治療を受けていた。
入院中、Quy は病院スタッフと親しくなって病院内を自由に行動しており、病院の管理者は Quy が病室をストロボライト、DJ デッキ、大型スピーカー、防音材を備えたレイヴルームに改造することを許可していた。

彼はまた、中毒に苦しんでいる入院患者を通して、病院外の人々にもドラッグを販売、昨年3月に警察に逮捕されるまでに、Quy と彼の共犯者は、病院だけで 15 キログラムを超える薬物 (MDMA、ケタミン、メタンフェタミンを含む) を保管、使用、または販売していたことが判明した。Quy の病室も同日に家宅捜索され、警察は5キログラムのさまざまな薬物と、ボンベやラップトップを発見した。 

地元の報道によると、Quy から薬を買うために病院外からやってくる人々は、患者の介護者のふりをすることが多く、また Quy は病院の外で顧客に会うために共犯者を派遣することもあり、配達ごとに 100 万ベトナムドン (約6,000円) を支払い、無料のドラッグを提供していた。Quy は、購入者を施設の外で待たせ、2 階の病室から薬を放ることもあったとのことだ。

病院に麻薬を密輸するため、Quy は病院の元部長である Do Thi Luu に毎月およそ426.21ドル(約60,800円)を支払っていたと報じられている。Do Thi Luu はこの件への関与を否定したが、職権濫用の罪で3年の禁固刑を言い渡されている。

情報筋によると、Nguyen Xuan Quy と Nguyen Van Ngoc が主催したパーティーのほか、Quy は病院内で治療中の中毒患者にドラッグを提供し、施設街の人々にも販売させていたとのことだ。

なお、ベトナムの死刑執行率は世界で最も高く、国際的な権利団体から激しい批判の対象となっている。死刑判決はベトナム政府によって公表されないことが多いが、現在この国には1,000人以上が死刑囚監房にいると推定されており、 麻薬関連の犯罪に加えて、武装強盗、レイプ、汚職など、数十件の犯罪に死刑が適用されている。