東京大学 情報理工学系研究科のプレスリリース によると、同研究科の高橋宏知准教授らの研究グループが、ネズミの一種であるラットが、120〜140 BPM の音楽のビートに合わせて身体を動かすことを発見した。

人間は、音楽のビートに合わせて自然に体を動かす「ビート同期」運動を示し、その中でも特に120〜140 BPM でその運動が最も顕著となるとのことだ。そのため、多くの音楽は、この "ビート同期" がしやすいように、120〜140 BPM で作曲されている。

ただし、これまでは人間以外の動物における「ビート同期」運動については明らかにされていなかった。

今回、高橋宏知准教授らの研究グループは、ラットの体の動きと神経活動を計測し、ラットのビート同期を検証する実験を実施。その結果、ラットも人間と同じく、120〜140 BPM の音楽でビートに合わせて身体を動かすことが発見された。
更に、ラットの聴覚野での脳活動を調べた結果、脳活動においても、曲のテンポに対して顕著にビート同期することが判明したとのことだ。

今回の研究結果は、ビート同期運動が身体特性ではなく、脳の動特性(ダイナミクス)から生じることを物語っているという。

ビート同期を生む脳の動特性(ダイナミクス)が、動物の種を超えて観察されたことは、ビート同期の進化を解き明かす第一歩となった。今後、これが、音楽やダンスの起源と発展を解き明かす重要な手がかりとなるのではないかと期待されている。