アメリカでは医療用のオキシコドン、フェンタニルといった麻薬性鎮痛剤の濫用が問題となって久しい。阿片、モルヒネ、ヘロイン、コデインといったオピオイド系ドラッグから上記のオピオイド系医療用麻薬まで含めて、ここ20年間で約40万人がオピオイドにより死亡しているとのことだ。

そんな中、ガーディアン誌によると、米国食品医薬品局が、オピオイドの過剰摂取を防ぐための過剰接種抑制剤「ナロキソン」を処方箋なしで米国内で販売することを承認したとのことだ。「ナロキソン」は、鼻腔スプレータイプの「ナルカン」として知られている薬品だ。
この救命薬は、ヘロインや処方されたフェンタニル、オキシコドンなどのオピオイドによる過剰摂取の影響を鎮静化させる薬であるとのことだ。

FDA コミッショナーの Robert M. Califf 医学博士は、29日付けで以下の声明を出している。

本日の OTC ナロキソン点鼻薬の承認は、ナロキソンへのアクセスを改善し、利用可能な場所を増やし、全米のオピオイド過剰摂取による死亡を減らすのに役立つ。

我々は、製造者が、本製品をできるだけ早く手頃な価格で入手できるようにすることで、本製品へのアクセス性を優先することを推奨する。

2021年に、オピオイドの過剰摂取が国際的な問題として注目を集めた際には、バーやナイトクラブ、ナイトライフの場で、ナルカンを広く利用できるようにしようという動きがあった。2022年10月、ニューヨーク市は「Narcan Behind Every Bar(全てのバーにナルカンを)」プログラムにより、市内のナイトライフ事業者に無料のナロキソンキットを提供する法案を可決している。

2022年11月の調査では、薬物チェックサービスのような、フェスティバルの違法薬物対策が参加者の安全を向上させることが判明している。