アイスランド出身で、数々のメディアで「歴史上最も偉大な100人のシンガー」のランクインしている Bjork(ビョーク)が、2024年11月20日から12月9日まで、フランス・パリのポンピドゥー・センターにて最新のサウンドインスタレーション『Nature Manifesto(ネイチャー・マニフェスト)』の展示を行うことか明らかになった。この作品はパートナーである Aleph Molinari(アレフ・モリナーリ)と共同で制作されたという。
 

Bjork は SNS でこの3分40秒の作品について次のように語っている。

「この没入型サウンド作品は、絶滅の危機に瀕している、あるいは絶滅した動物たちに声を与えています。彼らの音を私たちの言葉と融合させ、自然から遠く離れた産業時代を象徴する建築物の中で彼らの存在を共有したかったのです。『キャタピラー』と呼ばれる美術館のエスカレーターの動線の中で、この作品を通して絶滅危惧種の生々しい生命力を思い起こしてもらいたいと考えました。階を移動しながらこのサウンド作品を聴いてもらうことで、動物たちの声がリスナーに向けた音の橋渡しになればと願っています」。

「これらの動物たちの精神、その環境との魔法のような調和を感じ取ることで、彼らは私たちの先生になってくれます。彼らの亡霊が私たちに原始的な気配りを取り戻すことを促してくれるのです。私たちは言葉だけでなく、行動もしたいと考え、フランスとアイスランドの若い環境活動家と共にキャンペーンを立ち上げました。キャンペーンは後ほど開始予定です」

今回のサウンドインスタレーション『Nature Manifesto』はフランス生物多様性庁と協力して企画された「生物多様性:どのような未来のためによのような文化か」というプログラムの一環として制作。ポンピドゥー・センターによると、人間の活動により100万種もの生物が絶滅の危機に瀕しており、この静かな崩壊はその規模とスピードの両面で衝撃的だという。

Bjork の2022年にリリースされたアルバム『Fossora』は、菌類を通じて共存や死、そして生態破壊をテーマにした作品で、このサウンドインスタレーションと同様自然界をテーマにした作品。自然に注目した作品を長年手がけてきた Bjork は昨年スペインのシンガーソングライター Rosalia(ロザリア)とともにシングル「Oral」を発表し、アイスランドでの養殖漁業の慣行に反対するメッセージも発信している。