ドイツ・ベルリン在住のSascha Ringによるソロユニット。彼のライヴ・パフォーマンスは"キッキング・アス!"で知られているが、レコードやスタジオで聴ける彼の室内楽のクオリティーは、繊細に行き届いたオーケストレーションだ。彼はジョン・ピール・セッションを誇りに思い、ジャンナ・ナニーニとロック・オペラの仕事を散発的に行っている。1999年からT・ラウムシュミールと共にベルリンを拠点に活動するレコード・レーベル"シットカタパルト (Shitkatapult)" -世界中のターンテーブル上のワイルドなミクスチャーを投げつける冒険的な音楽の投石器-をスタートさせる。但し現在は辞めている。2001年にJetlagから12インチをリリースし、音楽活動本格化。同年にシットカタパルトから1stアルバム"Multifunktionsebene"をリリース。以後メインリリースはシットカタパルトから。2004 年にはNeo Ouijaから"Shapemodes EP"をリリース。2006年にはEllen Allienとコラボレーションし、"Ellen Allien & Apparat"名義でBPitch Controlから"Orchestra Of Bubbles" をリリース。この作品では、テクノ・シーンはおろか、プログレッシヴ・シーンでも大きな話題を呼んだことで知られている。2007年にはソロアルバム"Walles" をリリース。タイトルに反し様々な壁を取り払った内容となっている。ストリングに槌楽器、ロックギターと鋸のようなシンセ音、吃ったようなデジタルパーカッションに肉感的な生ドラムといった様々なエレメンツが自由に絡み合う。「このアルバムには特にコンセプトはなく、この2年間のAPPARAT のコンピレーションとして捉えてほしい。だから色々なプロジェクトからの沢山の影響が反映されている。エレンとの制作からも大きな影響を受けた。Wallesは、70曲にもなる未完成曲からのアイディアを練り直して完成させたものだ」アパラットは、マンチェスターのメランコリック・グリッチとUSのラップトップとのドイツのギャップに橋をかける。彼のスマートな感情の描き方は、ジャンルを超越し"アパラット・サウンド"としかいいようがない、非現実的な音楽の現実性をつくりだす。彼のスタジオの中では、哀歌的ポップネスとヘヴィーなエレクトロニクスによって構築された理論整然としてエモーショナルな、濃密で、ダークで、壮大な雲があたりを包んでいる。一方ライヴでは、ダンス・フロアの中はバミューダ・トライアングルのレイヴをテクノ、IDM、エレクトロの斧で切って捨てているかのようだ。このライヴでのスタイルは、レコーディング・ワークの中での彼とは必ずしもイメージが合致しないだろう。しかし、彼がエレクトロニック・ミュージックへの...
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