2018年、フランスの Alpe d’Huez(ラルプ・デュエズ)アルプス山系の高原リゾート地にて初開催された Tomorrowland Winter 2019。メインステージはライブストリーム放映されていたため、それをご覧になった方もいるのではないだろうか。

フェスといえば夏、というイメージの真逆を行く Tomorrowland Winter。「実際、どうだったの?」「来年はぜひ行ってみたい!」と言う方は特に必見、実際に Tomorrowland Winter に参加してみた筆者のライブレポートをお届け!

広大な雪山一帯が会場!

Tomorrowland Winter は、かなり広大な雪山一帯が会場となっている。まず参加者は Tomorrowland 専用のバスで Alpe d’Huez の山の麓へ向かう。麓には大きな駐車場のような場所があり、そこが Tomorrowland 参加者用のバス停となっている。バス停で一旦下車した後、宿泊エリアごとに別のバスに乗り換え、宿泊場所へと向かう。

Tomorrowland Winter には7日間と4日間パッケージがあるが、筆者は4日間パッケージをチョイス。スイスの空港から約15名ほどの参加者と一緒に、約3時間バス乗車し、その駐車場へ到着したが、到着した頃には周りは暗くなっていて街灯もほないため全くどんな場所かわからず、宿泊場所に到着した時間にはすでに「Gathering」と呼ばれる前夜祭も終了しており、結局参加できなかったのが悔しい……!
 

宿泊場所について

筆者が宿泊した場所は「AURIS」というエリアで、ホテルのような洒落た場所ではなかったが、暖房も効いているし、こじんまりとしているものの、宿泊するのには全く問題はなかった。
部屋にはキッチンや冷蔵庫もついていて自炊も可能。宿泊エリアには午前9時から午後12時まで営業しているスーパーマーケットがあり、そこで食料を購入できる。レストランやバーもあり、のんびりとくつろいでいる参加者もたくさん見かけた。

ホテルのランクによるが、筆者が泊った宿泊施設は必要最低限のもののみ供給される宿泊施設で、Wifiもなし。ポケット Wifi が借りれるとのことだったが、行くのが遅かったのか、全て貸し出し中。ただし、ポケット Wifi を持参してきていた人の話によると、Wifi 回線はかなり弱く、繋がり難かったとのことだ。
 

「AURIS」からメインフェスティバルエリアがある場所へは、リフトで30分程、車で1時間程の場所にある。宿泊場所にもよるが、「AURIS」からは、下記の写真の様なリフトを3回乗り継いでメインエリアに到着する。リフトから見る雪山はかなりの絶景で、山を1つ2つ越えるためリフトはかなり急降下・急上昇する。飛行機やエレベータ―に乗った際と同じように、耳が詰まる現象が起こる程だ。

ちなみに「AURIS」の宿泊場所の標高は1,600mで、メインのフェスティバルエリアは標高2,000m。高山病になる可能性もあるので、前もって注意しておいた方が良いかもしれない。


この広大な雪山全体が Tomorrowland の会場となり、山頂付近の様々な場所にステージが設けられている。
メインのフェスティバルエリアを基準として、リフトを乗り継ぎ自分の好きなステージへ赴く。スキー・スノーボードで好きなステージに移動することも可能だ。
 

ステージについて

メインフェスティバルエリアには、5つのステージがあり、2つは屋外、3つは屋内となっており、メインフェスティバルエリアがある一帯は、まるでベルギーで開催されている Tomorrowland の縮小版、といった感じだ。
屋内のステージは暖房が効いていて温かいが、屋外のステージは雪が積もっており踊り辛いのが難点。足が埋もれるほどではないものの、スノーブーツは必須である。
メインエリア内はステージが比較的密集しているので、移動はかなりラク。フードやトイレは比較的空いており、長蛇の列になることはなかった。

(左:メインステージ 右:L'ORANGERIEステージ)

先ほども述べた通り、メインフェスティバルエリア自体の規模は、本場の Tomorrowland と比べるとかなり小さくはなるが、そこはさすが Tomorrowland クオリティー!! それぞれのステージに独特の世界観があり、ステージのアートワークは細部まで凝った作りとなっている。

レーザーやスモーク、炎や花火などがふんだんに使用されたメインステージのステージプロダクションは圧巻。Garden Of Madness ステージには天井に巨大な蝶がいくつも吊るされており、音楽に合わせて上がったり下がったりする仕掛けがあり、本場の Tomorrowland の Freedom Stage に似た雰囲気を感じた。L'ORANGERIE のステージは Garden of Madness と比較すると小規模ではあるが、花を基調としたキュートなステージだった。

(左:L'ORANGERIEステージ​ 右:Garden of Madnessステージ)

(左:Garden of Madnessステージ 右:Love ステージ)

メインエリアに5つのステージ、山の中にある6つのステージ、そしてそれぞれの宿泊場所にも小さなステージがあるが、音が鳴っている時間はそれぞれ違い、特にメインエリアは L'ORANGERIE のステージが午後12時から午後4時まで、メインステージが午後4時から午後10時まで、GARDEN OF MADNESS が午後9時30分から午前2時までとなっていた。
山の中にあるステージも、ほぼ午後12時から午後4時まで。山頂に行けば行くほど雪が降っているが、山頂のステージには室内のレストランも併設されていて体を温めることができる。山頂は、吹雪いていない限り365度の雪山を見渡せてとにかく絶景!

(左:メインエリアエントランス 右:Amicorum Spectaculumステージ)

全てのフェスが終了するのは午前2時。そこからシャトルバスを使用して、観客たちはそれぞれの宿泊場所へ戻っていく。
 

会場について

風景はさすがアルプス山系、どこを切り取っても絵になり、更に Tomorrowland 特有の幻想的なアートワークもあいまって、まるで「アナと雪の女王」の世界に迷い混んだような気分に。
 

フードにも定評のある Tomorrowland、ベルギーならではのフレンチフライ、ステーキや、チーズなど、様々な美食を楽しめるのもポイント。寒い雪山で開催されるだけありホットドリンクが充実していて、ホットワイン、ホットチョコ―レート、コーヒーなどが人気。

グッズ売り場は本場 Tomorrowland のように長蛇の列にはなっておらず、ゆっくりショッピングを楽しめた。
 

そして、見るからに寒い Tomorrowland Winter 会場の「寒さ」についてだが、ご覧の通りで物凄く寒い。もちろん、筆者も雪山仕様でたっぷりと着込んで行ったものの、時間が経つと体の芯から冷えてくる。ただ、屋内のステージへ行けば暖房が効いており、更に人の熱気もあるため今度は非常に暑い。屋内ステージでは服を脱ぎたくなるが、そうなると今度は置き場所に困る。ロッカーがあるので、若干面倒ではあるが毎回そこへ荷物を入れてしまった方が快適だ。屋内ステージは午前2時まで開いているので、クローズ前にロッカーから服を取り出すことをお忘れなく。
 

スキー・スノーボードでの参加者


筆者はスキー・スノーボードはやらなかったが、来場者の中には、午前中はスキー・スノーボードを楽しんで午後になるとフェスへ、といった参加者も多かったように見受けられた。多くの参加者が、フェスのみをガッツリ楽しんでいる、というよりは、ウィンタースポーツやアルプスの絶景を堪能しつつ、音楽も楽しむ、といった感じで比較的緩めに参加していたフェスであったように思う。

そして何より一番感じたのは、参加者の年齢層が高かったという点。若い参加者ももちろんたくさん見かけたが、比較的年齢の高いカップルやグループが多かった。本場の Tomorrowland もそうだが、Tomorrowland Winter にも「老若男女、どの世代でも参加できるフェス」といった雰囲気を感じられた。特にメインエリアにあるアメリカ・テキサスっぽさのある80年代風の屋内 Bar「Moose Bar」では、DJ たちが80年代90年代のリミックスや懐メロをプレイしており、年配層の客たちが盛り上がっていた。


やはり世界最大級にして最高峰のフェスでもある Tomorrowland が手掛けているだけあり、開催1年目であるのにも関わらず運営体制も万全で、来年は更に素晴らしいイベントになるのではないかという期待を大いに持たせてくれるフェスとなった Tomorrowland Winter。
フロアに舞い散る雪にレーザーが反射する様はとても幻想的で、こういった冬フェスでないとなかなか見ることができない光景だった。防寒対策は必須だが、真っ白な雪山でのダンスミュージックフェスというなかなかにレアなシチュエーションは、冬ならではのフェスを楽しみたいという方にお勧め!

Tomorrowland Winter は2020年も開催が決定しているので、行ってみたいという方はぜひオフシャルアカウントをフォローして随時チェックして欲しい。
 

Tomorrowland Winter 

Official HP
Facebook
Instagram