テクノシーンを代表するDJ/プロデューサーであるJEFF MILLS(ジェフミルズ)と日本科学未来館館長・宇宙飛行士 毛利衛氏とのコラボレイトによるCD作品「Where Light Ends」リリースの発表に続き、日本科学未来館で開催される特別週間「つながりプロジェクト2013~10日間の地球合宿」のオープニング・イベントとして3月22日(金)に開催される「T Minus and Holding」(*観覧の応募は締め切りました)にジェフ・ミルズが出演することが発表された。

このイベントでは、ジェフ・ミルズが作曲した、地球ディスプレイ「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」をとり囲む空間(オーバルブリッジ)に流れる音楽「インナーコスモス・サウンドトラック」のお披露目、さらに「シネミックス」と題された映像と音楽によるパフォーマンスが披露される。また、このイベントの模様は、DOMMUNEで生中継されることも決定、放送の冒頭では、昨年10月にDOMMUNEで放送され話題を呼んだ、ジェフ・ミルズと毛利衛氏の宇宙を巡る対談の模様が再放送されることも決定している。



ジェフ・ミルズと毛利衛氏が出会ったのは、昨年2012年の6月のこと。その出会いを毛利衛氏はコメントの中で振り返っている。

『ジェフに初めて会ったのは、2012年6月でした。彼の音楽を初めて聴いた私は、正直、宇宙で聴きたいものではないと感じました。なぜなら、宇宙ではむしろ自分が地球にいることを感じられるような安心感を得たいからです。彼の音楽は、まさに宇宙そのものを表現していました。そして、その音楽を手がけたジェフは、思った通り感性の鋭い人物でした。
宇宙飛行士として、私はこの目で2度、宇宙から地球を見てきました。ジェフはその体験について、光や色、聴こえる音、私の感情についてなど、沢山の質問をしてくれました。そして、彼の音楽についても教えてくれました。「未来を表現する音楽をつくっているのではない。みんなが未来を考え、準備するための活動である」という彼の考えは非常に印象的で、私の思いとも一致するものでした。
私がずっと考えてきたのは、科学技術が地球生命や未来のために何ができるのかということです。しかしジェフは、まるで宇宙からやってきたかのような感覚で、音楽によって私たち地球人がともに未来について考える力を与えてくれていたのです。

その時、彼からアルバムの制作に参加してほしいとの依頼があり、引き受けることにしました。同時に、私が館長を務める日本科学未来館の「つながり」プロジェクトにも参加してもらうことをお願いしました。2000年、未来館の館長を引き受けた私は、宇宙から見た美しい地球の姿を多くの人々と共有したいという思いから、シンボル展示「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」を作りました。

開館10周年を迎える2011年、地球に関する科学情報を視覚化し、感性に訴える表現で伝えることができるように、高精細の有機ELパネルを用いた世界初の地球ディスプレイとして生まれ変わり、その「Geo-Cosmos」を中心とした、新しい地球理解のためのプロジェクトとして「つながり」プロジェクトをスタートしました。
ジェフはイマジネーションで宇宙から見た地球をすでに実感しています。その彼に、人々が「地球を感じる」ための音楽を手がけてもらうことをお願いしたのです。

宇宙から二度、青く輝く地球を眺めて私が実感したのは、地球・生命・人間の“つながり”でした。人間を含む全ての生命に、薄い大気の中に連綿と存在してきた“つながり”があること。そして人類の将来は、自らの活動が関係している気候変動、生物多様性の減少など、地球と自然との“つながり”により左右されること。この大きなつながりのなかに自分の存在を位置づけ、今ある豊かな地球を未来につないでいくために私たちが何をすべきかをともに考えることが、「つながり」プロジェクトのミッションです。

私たちは今、さまざまな地球規模の課題に直面しています。未来館では、この課題を乗り越えるために、科学技術のあり方を世界の人々とともに考えるための取り組みを進めています。しかし、未来に向けて人類が生き延びていくためには、科学技術だけではなく、あらゆる知恵を総動員していくことが必要です。
今回、幸運な出会いに恵まれ、音楽の力をもったジェフと未来をともに考えられることを、とても嬉しく思います。』 毛利衛(日本科学未来館館長)

2人のコラボレイトによる、この2つの音楽プロジェクトをぜひ体感してほしい。

 

【放送情報】

【2013 DOMMUNE】<03/22(金)>

JEFF MILLS「T Minus and Holding」
~ Geo-Sound(ジオ・サウンド)オープニング・パフォーマンス with ジェフ・ミルズ
(日本科学未来館から完全生中継!)

■19:00~20:00 毛利 衛 × ジェフ・ミルズ「サイエンスとフィクションのつながり」(このパートのみ10/29の再放送)
■20:00~20:35 TALK:「Geo-Sound(ジオ・サウンド)by Jeff Mills」
■20:35~20:45 Geo-Cosmos 新規上映プログラム「軌跡 ~The Movements」
■20:45~21:45 Cine-mix Performance:「ジェフ・ミルズ / インナーコスモス 『T minus and Holding』シネミックス・パフォーマンス」