レコーディング・スタジオの世界標準スピーカー・ブランド「GENELEC(ジェネレック)」
Made in Finland による確かな品質と美しいミニマル・デザイン、そして圧倒的なサウンド・クオリティでミュージシャンを魅了し続けている。


そんな GENELEC が聴ける Music Bar を紹介するシリーズの第二回目は、三軒茶屋にある「space orbit」。魅力的な飲食店やバーが軒を連ねる三軒茶屋の中でも異彩を放つ、本格的ながらに誰にとっても居心地が良い至高の Chill Out スペースであるこの Music Bar には、なんと GENELEC のビンテージモデルである1031が現在まで引き継がれ、耳の肥えたお客さんたちをも唸らせている。


今回は、space orbit のオーナーである松丸良輔氏、そしてこの orbit でレギュラーイベントを開催し、年に1回、GENELEC も協賛する日本最大のモジュラーシンセサイザーイベント「Tokyo Festival Of Modular」の主催者でもある HATAKEN 氏に、モジュラーシンセサイザーと GENELEC の魅力についてを語ってもらった。
 

座って、寝転んで、それぞれが好きなように音楽を楽しめる民芸的 Chill 空間

"生活の軌道" という意味もある「orbit」。松丸オーナーの "生活という芸術" "私の中の自然" という人生観が詰まった orbit には、松丸オーナーのお母様の作品であるランプシェードや、ハンドクラフト作品が多数設置され、居心地の良い空間を作り出している。なお、DJ ブースや内装は、ほとんど松丸氏のハンドメイドだそうだ。


フロアには DJ ブースの他、チルアウトスペースとしてもステージとしてもマルチに使える場所が3箇所あるため、DJ イベントばかりではなく、パントマイムやベリーダンスのショー、キッズパーティー、ワークショップ、ギャラリーとしての貸し出しなど、様々な催しが開催されている。


お店のテーマやコンセプトを教えてください。
松丸オーナー:開業して16年間、ずっとChill Outを提案してきました。シーシャを嗜みながら心地よい音でゆっくり過ごせるリスニングサロンですね。20代の頃、海外でバックパッカーをしていた際に、現地でよくホームパーティーに招待されていました。日本のクラブのように、DJ がカリスマ的存在として中心になっている雰囲気ではなく、その場に集まった皆が等しい存在として得意分野を持ち寄りシェアする空間、という価値観を東京で体現してみたくて、この店を作りました。海外に存在しても違和感のないお店作りを心がけています。


クラブとは異なるBAR「orbit」の魅力を教えてください。
松丸オーナー:クラブは大音量ですが、うちはそんなに音量をだせないので、DJ には適音のバランスを担ってもらっています。チルアウトがコンセプトですので。寝っ転がりながらストーリーを語っていただける場だと認識しています。


お店で流している音楽ジャンルや、開催されているイベントを教えてください。
松丸オーナー:まさにタイニー・デスク・コンサート(アメリカの公共ラジオ放送である National Public Radio の事務所で開かれるコンサート。動画配信されている)のようなリラックスした雰囲気の店ですが、店内で流れる音楽もやはりそのような雰囲気のある曲が多いです。14年間継続開催されているイベント、20代前半の学生さんが提案するカルチャーパーティー、HATAKEN さんが参加する Modular Cafe など、創意工夫されたハンドメイドのパーティーが多数開催されています。


この orbit に GENELEC を導入するきっかけとなったのが初代店長オクムラ氏の提案だったという。オクムラ氏は残念ながら他界されているが、奇しくも命日近くに GENELEC の取材を打診したことで、今回特別に取材させていただけるこっとなった。


音質・音響的に配慮された点を教えてください。
松丸オーナー:初代店長のオクムラがあえて出力の抑えたスピーカーを複数配置することによるサラウンドスペースを提案しました。彼がスピーカーの選定から電源周りやケーブルも施工しました。当時から名機と呼ばれていた1031の音が、解像度が良く音のバランスもこの店に合っているので、大切に使っています。全体的にバランスが良く、ダビーな音やチルなヒップホップやアンビエントだったりといったスペーシーな音が映えますね。

GENELECのスピーカーを採用/導入された理由を教えてください。
松丸オーナー:店内全てGENELECです。前述したオクムラが orbit 以前に在籍していた池尻のプライムサウンドスタジオのシステムから発展した空間作りだと思います(1031A×4 / 1029A×2 / 1094A×1)。天井にも12面体の Solid Acoustics のスピーカー2本を吊るし、サラウンドに包まれる空間を体現しています。
 
 

東京モジュラーシーンの大御所も認める GENELEC スピーカーの音質

上記の松丸オーナーの話に出てくる HATAKEN 氏とは、日本最大級のモジュラーシンセサイザーイベントである「Tokyo festival of Modular/TFoM(東京モジュラーフェスティバル)」を主催する、日本のモジュラーシーンの重鎮である。なお、「Tokyo festival of Modular」は、関西版として「Kansai Festival of Modular/KFoM(関西モジュラーフェスティバル)」も11月23日(土)大阪にて開催決定!
HATAKEN 氏は、ここ orbit で開催されている、モジュラーシンセの魅力を掘り下げ参加者同士が気軽に情報交換できる初心者にも優しいモジュラーイベント「Meeting of Modular」を主催、更にモジュラーライブイベント「Moduler Cafe」にもレギュラー出演している。

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HATAKEN:
モジュラーは、一つずつ音を出していって、その音を加工したり弄ったりということができます。
それをライブの場でやる場合、実験的なライブという感じにりますが、シーケンサーやサンプラーとも組み合わせ、あらゆるジャンル、全く新しい音楽的世界観の構築も可能です。
また、専用のインターフェイスを導入して、照明やレーザーのコントロールに使う人もいます。百武和馬くんやドラびおさんのようなモジュラーで音楽を演奏しながら、ライブでレーザーもコントロールしたり、といったライブを行うアーティストもいますね。

モジュラーに興味がある方は、モジュラーを使って自分が何をやってみたいのか、という目標があると、より理解が深まって良いと思います。なにか一つ目標を持ってやると、自分の好みや良い音が分かってきたり、自分らしさのある独自のリズム感が出てきたりといった発見が出てきたり、新たな目標に繋がると思います。目標なしにやるのも楽しいとは思いますが、そうなるとゴールもないんで(笑)。

モジュールは高価なものが多いので、予算的な部分がネックとなって初心者の方はなかなか手を出しにくかったと思いますが、最近では徐々に中古のモジュールが市場に増えてきたり、個人間でもトレードしたりといったことも広まってきていますので、モジュラーをやっている若い人もだいぶ増えてきました。今後、モジュラーシーンが更に盛り上がってくれると良いなと思います。


そんな、モジュラーシーンの活性化に日々努めている HATAKEN氏 も GENELEC スピーカーの音質の良さについては太鼓判を押している。

HATAKEN:
全部の音が豊かに出て、低音も高音もしっかりと出てくれるし、音楽のジャンルを選ばないところも良いと思います。何をやってもきちんと鳴らしてくれるので信頼感がありますし、最初の1音を出した瞬間に「良い音だな」と感じさせてくれます。音のディテールというか、レゾリューションがはっきりクリアに聴こえるなと思いますね。低音がバーンと出ると、それに持っていかれて中音域や高音が潰れてしまったり、音の大小で聴こえ方が違ってしまうといったクセがあるスピーカーもありますが、GENELEC は普通にリスニングで聴いていても良い音がするし、モジュラーの演奏などで使ってもきちんと反応してくれるタフさがあります。

DJ やってても GENELEC の音は最高だと思いますし、モジュラーでは音にリミッターなどが掛かってない分音が飛び出してくるような感じがあるのですが、そういった点にもしっかりと対応してくれている良さがあると思います。サウンドデザイナー的に音を作ったりする人や音楽シーンで働くプロの中には、やはり GENELEC が良いと言う方が多いです。

 

デザインも良いですよね。僕は毎月、MI7さんのデモルームで毎月一回開催される Powwow というイベントでアンバサダーをやってるんですが、そこに GENELEC の白いスピーカーが並んでいるので、そのイメージが強いです。Powwow はアムステルダムに本拠地があって、世界中の都市のモジュラーシーンから毎月5組のアーティストのライブを紹介するというものなので、興味があったらぜひチェックしてみてください。

 

ファンが多いカレーやチャイを筆頭に、フード、ドリンクも最高!

フードを出しているパーティーは多いが、大味だったり、スペースがなくて落ち着いて食べれないことも多い。その点、Space Orbit は テーブルも多く、どこでも座れるのでお腹が空いても安心してフードを楽しめるのもポイント。特に野菜が煮込まれたカレーやスパイスの効いたチャイにはファンも多く、オービットのイベント前にはわざとお腹をすかせていく、という人もいるほどだ。

お店のおすすめメニューを教えてください。
松丸オーナー:一期一会のカレーです。私はスパイスも研究しています。その発展途上の創作のメニューですね。秋からビールと相性の良いモモ(ネパールのスパイス餃子)も新しくメニューに加わります。スパイスをとりこんだメニューが中心となります。
 
平日は Gallery・Shisha Bar として営業し、2ヶ月ごとに入れ替わる作品に囲まれながらゆっくり寛げる Space Orbit。
 

三軒茶屋から徒歩10分、下北沢からは15分という立地に16年間営業する老舗の Music Bar で、音楽と共にフードやドリンクに舌鼓をうち、まったりと楽しもう。

「iFLYER の記事を見た」で、チャイを1杯プレゼント! ※2019年11月17日(日)まで
 

Music Bar「Space Orbit」

〒154-0004 東京都世田谷区太子堂5-28-9 B1F
TEL 03 - 3411- 3810
営業時間:火 〜 金 19:00 〜 3:00、土 14:00 〜 3:00、日 14:00 〜 23:00
月曜定休
※Party 営業は23:00まで。23:00以降は Bar 営業
※不定期休業日あり。詳細はオフィシャルサイトのスケジュールをご確認ください。
オフィシャルサイト http://bar-orbit.com/
 





1978年にフィンランドで創立されたプロ用スピーカー・メーカーである「GENELEC」。
世界で初めてアンプを内蔵したアクティブ・スピーカーを開発し、その革新的な技術とサウンドによりプロの音楽制作現場では世界標準となっている。
近年では一般ユーザー向け G シリーズや店舗向け製品も販売されているが、そのクオリティに変わりはない。
インダストリアル・デザイナーの Harri Koskinnen 氏が手がけた北欧デザイン、信頼の Made in Finland、再生アルミニウムやリサイクル可能な部品の採用など、正に北欧を代表するスピーカー・ブランドだ。
そんなレコーディング・スタジオのサウンドを自宅や店舗で体感してみてはいかがだろうか。

Genelec Gシリーズ
https://www.genelec.jp/home-speakers/


 

HATAKEN


90年代よりシンセサイザーを駆使したスタイルとジャンルを超えた音楽性で国内外で活動してきたエレクトロニックミュージッククリエイター/ライブパフォーマー。数々の欧米のフェスからも招かれており、2013年より Tokyo Festival of Modular を主催。国内モジュラーシンセシーンの活性化に尽力し、モジュラーシンセを駆使した新たなライブミュージックスタイルを開拓・シーンを牽引している。
2017年頃よりギタリストの SUGIZO(LUNA SEA / X JAPAN)と共にライブユニットを始動。2018年には北米西海岸にてモジュラーシンセワークショップ&ライブツアーを開催。2019年には TFoM 2019 の開催、Coppe "na na me na opera" のアルバム/楽曲プロデュース、Greg Hunter とのデュオ "Waceshaper" の活動再開、SUGIZO聖誕半世紀祭での即興デュオ演奏と、令和もますます精力的に活動中。

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Tokyo Festival of Modular 2019(TFoM)

今年で7年目を迎えるモジュラーシンセサイザーの祭典『Tokyo Festival of Modular(以下TFoM)2019』では、"Within and Beyond" をコンセプトとし、世界各国から50以上ものモジュラーシンセメーカー、ショップなどが東京、渋谷に一堂に集う。
機器の展示、多種多様なパフォーマンス、国内外から招聘された個性豊かなアーティストたちのライブ等が予定されており、聴いたことのない音楽に興味がある方、映像・光・その他の新たな表現をしてみたい方、機材に興味がある方……と、初心者からマニアまで楽しめるイベントとなっている。

日時:2019年11月16日(土)・17(日)12:00 ~ 18:00(両日)
料金:両日券 5,000円 / 当日券 各日 3,000円(別途1ドリンク600円)
>>チケット情報詳細はオフィシャルサイトから
※展示会、コンサート両会場共通
※Contact、Missionの各会場入り口でご購入ください(前売りなし)。

<エキシビジョン/ブース展示 & レクチャー、インタビュー>
日時:2019年11月16日(土)・17(日)12:00 ~ 18:00(両日)
会場:Studio Mission 東京都渋谷区道玄坂2-10-12 新大宗ビル4号館 7F

<コンサートタイム>
日時:2019年11月16日(土)17:00 〜 21:00 予定
   2019年11月17日(日)17:00 〜 22:00 予定
会場:Contact 東京都渋谷区道玄坂2-10-12 新大宗ビル4号館B2F
出演:
MAIN ARTISTS LIVE ACT/DRUMCELL (US)、MAARTEN VOS (US)、KABUKI (GERMANY)、SATOSHI TOMIIE(JAPAN)、SURACHAI (US)

MAKERS LIVE ACT/Roel Funcken (cwejman - the netherlands)、Asterisk untitled (erica synth - latvia)、Betasquare (xor electronic - the netherlands)、Colloid (ginko synthese - the netherlands)、wyws (wyws - australia)、Michael Johnsen (pittsburgh modular - us)、novcf (frap tools - italy)、richard nicols (pittsburgh modular - us)、the swedish movements (synthrotek - us)、worng (worng electronic - australia)

LOCAL ARTISTS LIVE ACT/DALIEPY、EISHI SEGAWA、HIROSHI SEGAWA、HOJOIWA、ISEI BEN、K2、KAZ X、KAWA、LEF!!CREW!!!、MADZINE、MASSIF CENTRAL、NAOKI NOMOTO、PLUGMAN、RENICK BELL、SAKAGUCHI、TAKAHISA MITSUMORI、TINCLOCKS、YUJIIN

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Kansai Festival of Modular(KFoM 2019)

TFoM2019に引き続き、今回は大阪で開催される KFoM2019 ! 興味深いワークショップ、モジュラーシンセの展示、中古モジュールコーナー、そして、東京でも実現できなかった、オールナイトモジュラーシンセライブイベントを開催!

日時:2019年11月23日(土)
会場:大阪 COMPUFUNK RECORD
料金:前売り 2,000円(別途1ドリンク 500円)、当日 2,500円(別途1ドリンク 500円)
>>チケット情報詳細はオフィシャルサイトから
出演:SURACHAI、Roel Funcken(Cwejman, The Netherlands)、EGG(Spain)、Linalab(Spain)、DORVIDEO、MASAYOSHI SAKAGUCHI、HATAKEN、INFINITY A.D.、IPNOTECA、SARAAM、ENDURANCE(Joshua Stefane)、KAZUMASA KITAGAWA、編む、MASAHIKO TAKEDA、909STATE + WASEI、POLYSHAFT + PLUGMAN、MOLCULE PLANE、O/I

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Meeting of Moduler

日時:TBA
会場:Space Orbit 東京都世田谷区太子堂5-28-9 B1F

▼詳細は TFoM サイトから▼
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Modular Cafe 

日時:偶数月第3土曜日
会場:Space Orbit 東京都世田谷区太子堂5-28-9 B1F
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